内容説明
「人生やりなおしたい!」と思ったことありませんか。
人生の転機を迎えた人々の悲喜こもごもを掬いあげる、笑いと涙の「再チャレンジ」短篇集。
尾行しても、すぐに気づかれてしまう残念な元相撲取りの探偵。
(「探偵には向かない職業」)
超人気連載マンガのアシスタントを務めながら、連載の終了におびえるマンガアシスタントの苦悩。
(「夜明けはスクリーントーンの彼方」)
テレビに出る夢をかなえたい……こどもの頃を夢に突き進む元柔道少女。
(「追いしれの国の女王様」)
CAからグリーン車のキャビンアテンダントに転職した女性の奮闘。
(「アテンションプリーズ・ミー」)
小柄ゆえ不人気ゆるキャラ「たけぴよ」の中の人に決まった若手公務員の話。
(「たけピヨサイドストーリー」)
営業のドサ回りをする売れない演歌歌手の本当の夢。
(「冬燕ひとり旅」)
夫の殺害方法を考えながらミステリー新人賞に応募し続ける妻。
(「リリーベル殺人事件」)
相方を失っても、コンビニのバイト中にツッコミ練習を続けるお笑い芸人。
(「ギブ・ミー・ア・チャンス」)
短篇8編に著者書き下ろしの「あと描き」も特別収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そる
219
これは良かった!登場人物達が嘘偽りない本音語るとこが等身大の人間臭くて、荻原浩さんの話は好き。短編集ですが統一テーマ、夢はあるけどくすぶったりうまくいかなかったりしている様を描いてて、転機訪れたところまでしか描いてない。その後どうなったかは読者の想像まかせ。気になるなぁ笑。みんな頑張ってて、私も大きな夢なぞないけど小さくても希望持って生きてこうと思った。「金のために描いているんじゃない。好きだからというほどもう青くもない。自分のいちばんの、唯一と言っていい人にはない能力を、他人に認めてもらいたいだけだ。」2024/04/28
mura_ユル活動
130
「世間にはまだだれのものか決まっていないチャンスがたくさんころがっている」。荻原さん、6冊目。笑いたかったから手に取った。短編全8編。皆、夢を持って頑張っているストーリー。最初の編で笑うことができなかったのだけれど、「冬燕ひとり旅」からは荻原さんならではのこみ上げる笑いに楽しんだ。一番は「冬燕ひとり旅」かなあ。前に拝読した。「母恋旅鳥」に似て。歌手で演歌ものは苦労が多く、涙を誘う。どの物語にもふっと心が温かくなるシーンがある。登場人物が飾らないところが好み。作家自らのあと描(えが)きもよかった。2020/09/22
馨
116
夢に向かって頑張る主人公たちの短編集。皆狭き門でも、別の職種でも最終的になりたい形に向かって一所懸命。傍から見ても、難し世界だと思うような仕事でも望みをかけている姿に勇気づけられました。巻末の荻原さんの絵が良い。ストーリーのイメージを全く崩しておらず見ただけでシーンが蘇って来ました。『アテンション・プリーズ・ミー』が1番好きです。人を見た目で判断してはいけないと再確認出来ました。2018/11/23
ふじさん
99
ドジぽさが際立つ私立探偵の元相撲取り玉登、売れないドさ周りの演歌歌手の琴路、漫画家を目指すなかなか芽の出ないアニメのアシスタントの恭介、空のCAを辞め、鉄道の客室乗務員となった真椰子、思わぬきっかけでゆるキャラのぬいぐるみを着ることなった相沢、タレントを目指すが光るものがなく恵まれない人生を送る姫美花、芸人を夢見てひたすらにネタを書き続けるるフリーターの木下等、不器用で諦めの悪い人々が、新たな人生を模索する。人生の喜怒哀楽がユーモア溢れる文章で綴られる。人にとっての幸せとは何か、改めて考えさせられる。 2022/11/28
おかむー
93
夢と希望に満ちていたあの頃、それから月日が過ぎた今…どうしてこうなってしまったのか。思うようにいかない人生を生きる8人の男女を描いた短編集。『よくできました』。うだつのあがらないひとびとのやるせない日々ではあるけれど、コミカルな文章がままならない彼らの姿を微笑ましく見せてくれている。どの物語も最後に現状から一歩踏み出すところまでで、その結末までが描かれることはない。彼らがその先に成功しているとは限らない、さらになんともならない状況になることも想像はできる。それでも彼らには“やらなかった後悔”はないのだ。2018/10/21
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