内容説明
ボッシュと相棒のライダー刑事は、少女殺人事件に関与していると思しき人物を突きとめる。マスコミに捜査状況を流すことで、ふたりは容疑者の動きを探る作戦に出るが……。難航する捜査、さらに警察内部から高まる批判。ボッシュに逆転の一手はあるか。現代ミステリー界の旗手が描く、警察小説の到達点!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
398
【原書】うむ。被害者の妊娠が重要なキーだとは思っていたが。なんとも後味悪い結末。そしてタイトルに潜む二重の意味に、読者は唸らされる。つか、ボッシュ、あっちこっちで寝まくるのはやぶさかではないが←ちゃんと避妊だとか病気予防だとか、考えような(笑)実際に読んだのは:https://bookmeter.com/books/137764922019/09/15
Tetchy
146
原題“The Closers”とは野球で勝負を決する時に投入されるクローザーを意味している。つまり未解決事件、即ち今なお終わっていない事件に決着を着ける刑事たち、彼らこそが終決者なのだ。しかしいくら犯人が捕まろうがその事件の当事者たちには終わりはない。区切りはつくだろう。しかし彼ら彼女らはその人の理不尽な死を抱えて生きていかなくてはならない。罪を憎んで人を憎まずというが、本当に愛する者を奪われた人たちがそんな理屈では割り切れない感情を抱えて生きていけるわけがないと大声で訴えかけてくるが如く、結末は苦い。2019/01/24
ケイ
132
やはりコナリーは刊行順が鉄則だ。『バッドラックムーン』のエピソードがちらりと出てきたり、宿敵のあいつとの応酬などの面白さは時系列に読んでこそ、ほくそ笑むことができるというものだ。敵をやっつけるにはどうしたらいいか、最後に例を二つ見せてくれるのだが、これにはやられた。そして下巻最初の方に出てくる会話。「『告白 』を見たことはあるかい? 」「 いいえ、いい映画なの?」「 ああ。またしても、ブラック・ダリア事件とロス市警の陰謀を取り上げている作品だ」作品で2度も触れられるエルロイ。ワオ!2018/04/14
KAZOO
63
後半は様々な手段を使えるものは使って犯人を炙りだしていく、という方法がとられています。組織内からも非難が上がりますが、ものともせずに班員にたどり着くという方法で最期の決着は少し私にとって異論あるのですが、まあまり目くじらを立てないで置きましょう。組織内の対立者が退場ということで、若干物足りなくなるのではないかと感じます。2015/03/26
キムチ
59
下巻に入ると「終決者」達~標題が複数名詞になっているニュアンスの中身が徐々に見えてくる。良きにつけ悪しきにつれ、被害者女子高校生の父が絡んだ17年の時に流れが昏い。そして宿敵アーヴィング副本部長の存在と投げつける言葉。再生タイヤの意はマッキーの死に繋がっている感じ。捜査が本来の姿を全うしているせいか途中、まどろこしさも覚えたがやはりボッシュ刑事の動き、キズとの綿密なタッグ(行動、会話)がもたらすテンポは読んでいて愉しい。2021/10/03