内容説明
●『菜根譚』は中国の古典のひとつで、明末期の洪自誠が記した随筆集です。
『論語』が道徳の名言集、『孫子の兵法』が戦略の教科書だとすると、
『菜根譚』は処世訓の最高傑作と言われており、松下幸之助、田中角栄、川上哲治、野村克也などの名経営者や著名人の愛読書としても知られています。
わかりやすい言葉で書かれた処世訓は、リアルに私たちの人生に迫ってきて、
自分の行動を変えるヒントを与えてくれます。
また、本場の中国よりも日本での人気が高いことでも特徴で、このことから「日本人に合った処世訓」と言えると思います。
●『菜根譚』には「逆境は良薬」「逆境は人間を鍛える溶鉱炉」など、
本来ならマイナスに捉えてしまう「逆境」を前向きに捉え、
それをバネにしてさらに高みを目指す生き方が数多く示されています。
そこには、政争に巻き込まれ隠遁せざるを得なかったと推測される著者自身の境遇が色濃く反映されています。
辛酸をなめつくしたからこそ、「逆境」を活かしきる珠玉の言葉を生むことができたのだと言えるでしょう。
また、単に「逆境」に対する姿勢だけではなく、逆境にあって、力を蓄積することの大事さ、冷静に物事をみる方法等の「逆境を過ごす方法」まで書かれています。
●本書では、『菜根譚』の教えである、人生、誰もが陥る「逆境」にどう立ち向かっていくか? 富や名声ではない幸福論とは? そして人づきあいの極意、人間力の高め方…など普遍的なメッセージをエッセンスを超訳でわかりやすく紹介します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
23
逆境で成長する人が成功する。自分に厳しくすれば、人の大変さが分かり優しくなれる。見ぬふり、忘れたふりが和を保つ。「明日やる」の明日は永遠に来ない。いつかやめようのいつかはいつまでも来ない。持っているもので贅沢に暮らせるものが最も豊かである。徳とは見返りを求めない心。などなど・・・2024/05/12
ぎたろう
11
高田郁さんの「あきない世傳 金と銀」でその存在を知った「菜根譚」。読んでみたいと思ったが原典は難しそうなので,手軽に読めるものはないかと探したところ,分かりやすさという点で個人的に絶大な信頼を置いている齋藤孝先生監修の本書を発見,まずは手に取ってみた。さすが,とてもわかりやすくまとまっており,入門書として最適。本書を読んでさらに興味が沸いたので,また別の解説本を探してみようと思った。2020/12/09
チャー
8
洪自誠によって記された菜根譚の入門書としてわかりやすく紹介した本。ひとつ一つのテーマが現代の出来事を引き合いに出しながら紹介されており理解しやすい。各章のタイトルには内容を一言で表す端的で印象的なフレーズが記されており、古典独特の難解なイメージの解釈を助ける。忍耐を重ねてこそ願いは叶う、本当の武器は苦労して得る、無理せず焦らず黙々とする等の言葉は、つい続ける意思が揺らいでしまいそうな時に地道に進むことの大切さを思い出させてくれる。良い言葉を手渡すことは人の幸福を手伝うことという点が特に印象的でした。2020/04/03
キンケード&グリーンウェル
5
原書も良作と思うが、作者の解説なしには厳しいかもしれない。良い本に出会えた。生きている中で中庸は大事にしたい。腕立て伏せでキツくないと筋力アップしないように、逆境が人を育てる。2025/04/05
とろりんとう
5
故・門田選手が愛読書として紹介された本。現代社会でも十分通用するものばかりであり、人間関係の対処方法はある意味不変。困難の捉え方、逃げ道の用意、自分自身の誠実さ、中庸の大切さ、冷静な考え方、虚心の必要性、継続への努力、自省の重要性など。「権腐十年」という言葉は、政財界・企業・団体どんな組織にも言えること。2023/05/06
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