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内容説明
無印良品、ファミリーマート、パルコ、西武百貨店、西友、ロフト、そして外食チェーンの吉野家――。
いずれも日々の生活でなじみのある企業であり、知名度の高いブランドだ。
これらの企業が、かつて同じグループに属していたことを、知らない世代が増えている。
これらはいずれも、堤清二という男が一代でつくり上げた「セゾングループ」という企業集団を構成していた。
小売業にとどまらず、クレジットカードや生命保険、損害保険などの金融業、ホテルやレジャー、食品メーカーまで、多様な事業を展開してきた。
2000年代、セゾングループは解体された。だがそれぞれの企業を見れば、堤が育てたセゾングループの価値がより鮮明に分かるはずだ。
現代の消費市場をリードするのは、米アマゾン・ドット・コムに代表されるIT企業だ。
インターネット通販やスマートフォンが爆発的に普及したことで、消費スタイルも根底から変わりつつある。
ものを所有しないシェア消費や個人間売買など、新たな流れが広がっている。
大きな変化が起こっているのは確かだが、人々の生活意識や買い物のスタイルがこれからどう変わっていくのかについては、企業も消費者も視界が晴れない。
そんな中で、堤とセゾングループがかつて持っていた特有のエネルギーを検証することは、未来の消費の行方を知る大きなヒントとなるはずだ。
新たな価値を生み出す発想力や、現状を否定してイノベーションを起こす柔軟性――。
閉塞感が漂う現代だからこそ、セゾングループのかつての哲学を掘り起こし、分析することに大きな意味がある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむら
36
無印良品、パルコ、ロフト、WAVE、リブロ。20代の頃踊らされたなーセゾン文化に。と消費がオシャレで楽しみだった時代を懐かしむ。あ、今でも好きだけど無印は。でも無印って高いよなー、とユニクロとセリアで事足りるようになってしまった自分の消費マインドの落ち込みも感じました。年齢のせい? 。元々は西友のPBだった無印良品。いま西友のPBは「みなさまのお墨付き」ってゆう名前なんですが、堤清二の美意識的には許せないだろなー。ダセエ。でも買ってるけど。安いから。2019/01/08
T2y@
34
面白懐かしかった。 田舎で育った身としては、WAVEとか憧れたな。 特にパルコの生い立ちが、読み応えありました。今で言う「ゼロイチ」イノベーターだった、堤清二氏。 違う生い立ち、役割だったら、何を生み出していたのでしょうね。2018/11/08
エンリケ
33
嘗てセゾングループを率いた流通業界の風雲児堤清二。しかしその栄光はバブルと共に崩壊した。彼の視線は未来を予見し、バブル時代はかれの打ち出す新機軸にわくわくしたものだ。その仕掛けは単なる物販では無く、大衆に文化と体験を供給しようとするもの。確かに当時は革命的と言って良かった。しかし経営者としての彼には欠陥が有った様で安定した収益には繋がらなかった。無印良品やパルコ、ロフト等今なお異彩を放つ企業が個別に取り上げられる内容。改めて彼の足跡を辿る事は閉塞する流通業界を見直す事。著者の意図は良く伝わった。2019/01/12
たつ
16
学生時代、有楽町西武の地下で美味しそうなワインを買ったり、六本木WAVEで目当てのCDを見つけたり、渋谷LOFTで何か面白い遊べる物を探していたりした。懐かしさを感じながら読みました。カードはもちろんセゾンカードでした。2019/01/26
nishiyan
13
礼讚ではなく、批判一辺倒でもないセゾン・堤清二論。多くの関係者への取材と豊富な資料を元に書かれており、四章「専門店」と六章「チェーンオペレーション」は特に読みごたえがあった。堤氏が吉野家を取り込むことからセゾングループにあった堤的なものを壊そうとしていたという指摘にはなるほどと思った。「破壊と創造」の人であり、多くの自己矛盾を持った堤氏ならあり得るだろう。またファミリーマートが抱える問題点にセゾン的なものを見出だすのも面白い。ファミマがアグレッシブに買収を行いながらもどこか緩いというのは何ともはやである。2018/11/20