内容説明
男子が作った女子ランキング。あの子よりも、私は上だった――。美醜のジャッジに心を弄られ、自意識が衝突しあう教室。そこではある少女に対し、卑劣な方法で「魂の殺人」がなされていた。のちに運命を束ねたかつての少女たちは、ひそかに自分たちの「裁き」を実行してゆく。その先に、果たして出口はあるのか。静かな祈りのような希望が滲むラストに、胸がうち震える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピロ麻呂
44
学生時代、ニキビ顔で悩んでいた清子が、昔の人間関係や犯した罪を恋人に告白調で語っていく。外観でイジメられてた話だと思いきや、思わぬ展開に… 斬新な描き方でおもしろかった(^^)2018/09/01
かめりあうさぎ
32
とても苦しい話でした。世の中から性犯罪が無くなればいいなと願った。そんな当たり前のことが、現実世界では不可能に近い。男性と女性とでは受け取り方が大きく変わる本だと思いました。2018/09/09
タルシル📖ヨムノスキー
28
なかなか辛い読書時間でした。何が辛いって抜身の刀を突きつけ合うような心無いやり取りを繰り返す中学生たちの描写。前半の舞台(中学生パート)は多分1980年代後半から90年代前半といったところか。今でこそ「スクールカースト」や「ヒエラルキー」なんて言葉が当たり前のように使われているけど、あの頃もこんな感じだったかなぁ。とにかく自意識過剰な中学生たちのやりとりが辛くて酷くて痛い。後半はなんだか突然路線変更したような感じで、性犯罪者を陰で捌く秘密結社的な話に。これはこれでドキドキの展開。この後3人はどうなるのか。2024/06/13
エドワード
28
思春期の少女にとって、容姿ほど重大なものはない。「自画像を描け」何と残酷な課題を与える教師がいたものだ。ニキビだらけの顔をリアルに描いた少女がいた。今回の朝比奈あすかさんの作品は、思春期の自我に真正面から向き合って迫力満点だ。瀧井朝世さんに先に書かれて、非常に感想を書きにくいのだが、男である私には、本当に本当の、清子や琴美や陽子の心の闇はわからない。だが心理のメカニズムはわかる。男女は決して平等ではない。最も卑劣なのは<目上の人>の立場を利用して欲望を満たす人間だ。彼らが罰せられる社会を実現しなければ…。2019/07/09
Shun
24
終始一人称での独白という構成は湊かなえさんの「告白」を思わせる展開。そして描かれる少年少女らの無自覚な悪意や、思春期特有の集団的心理へ迎合する心の働き、これらも含めてイヤミス度の高い作品でした。時々読みたくなる、しかし立て続けに読むには気力のいるジャンルだと思います。初めて読む作家さんでしたが、思春期にありがちな自意識の働きや善悪に対する判断基準の低さはリアリティを感じさせられよく描かれていました。また独白によって過去に何が起き、現在の状況が明らかになるにつれミステリ要素が増し読む手が止まりませんでした。2019/03/06
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