内容説明
初期の作品から本書のための書き下ろしまで、60年を越える詩業から選び抜かれた46の詩と文章が、言い交す声に、川の瀬音に、弦の調べに、静けさに耳をすますことを勧め、時には自分の耳を信じるなと警告する。その世界は多彩にして豊穣である。本詩集はまた、作者がこよなく愛するクラシック音楽へのオマージュでもある。
創元社からの刊行は、デビュー作『二十億光年の孤独』、翌年の『62のソネット』以来、65年ぶり。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
neimu
48
もっと若いときに、ずっと若いときに読むべきだった本。この中にある詩情、初々しさ、柔らかな感性は既に自分から失われてしまったのだと愕然とする。しかし、武満徹に対して愛惜の念を込めて語られるエッセイを、同時代を生きた者、そして逝ってしまった者への思いを重ねるということ、と言う点においては、少し年を取ったので理解可能な部分もある。心の音を聞いて重ねて調和を、不協和音を受け入れる、自分自身のメロディを探す、そんな過程が当たり前の日常だった日々が遠い。本当に聴いたのか、聞こえただけだったのか、幻聴ではないのか。2019/10/29
けんとまん1007
30
心を込めて聴いていると、聞こえてくる・・という、巻末の谷川俊太郎さんの言葉が、心に響く。それは、今の自分自身の心境に近いものがあるからかもしれない。心を込めて伝えないと、伝わらないのだと思うからだ。「耳と目」が、こころの響く。2018/04/13
aloha0307
25
本書を読み終えたそのとき、こころの空間が広がったのを確かに感じた(表題の意味がどーんと...)。沈黙 がkeywordです。例えば、天王星と海王星の中間地点ではどんな”音”がしている(沈黙・無音 ではないですが おお逆説的だ)のだろう... 沈黙 を言葉で語ろうと戦うのが詩人なのですね。2018/04/14
双海(ふたみ)
19
「物質は沈黙している。宇宙は沈黙している。星々も沈黙している。蛋白質も沈黙している。われわれは、そこから生まれたものだ。愛はその最も根源的な形では、沈黙している。受胎は言葉と無縁だ。」・・・ほんとうに、そうだ。谷川さんはすごい。でも、愛の最中で果たして僕らは無言でいられるだろうか。僕にはちょっと自信がないんだ。2020/02/23
ケニオミ
19
沈黙の重要性を説く詩集でしょうか。全ては沈黙に始まり、沈黙に戻る。東日本大震災で被災した地域での被災翌朝の音のない世界をイメージしました。人間の生活活動は沈黙に対する戦いということがよく分かりました。2018/03/11
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