内容説明
聞けば誰しも「あんな店のことね」と頭に浮かぶ「町中華」。
しかしその「町中華」とは、一体なんなんだ!?
「町中華ブーム」のきっかけとなった一冊が書き下ろしを加え文庫化!
ことさら美味いからというわけでもないのになぜか愛着がある「町中華」。
しかし最近、数が減っている?
いつのまにか「町中華」は絶滅危惧種になっていた。
誰かが記録しなければ忘れ去られる味と店がある。
昭和の古きよき食文化をレポる、「町中華探検隊」が結成された!
定義はなにか、どう遊べば楽しいか。
隊長の北尾トロをはじめ、独自のスタイルで町中華探訪を繰り返す隊の面々。
店主の話を聞き、メニューに思いを馳せ……。
数々の店を訪れ見えてきたのは、戦後日本の食文化の歴史だった。
美味さだけじゃない、エンタメと人生がここにある。
異色の食レポエッセイ。
カバーイラスト=清野とおる(『東京都北区赤羽』)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mr.lupin
50
確かに聞けば誰しも「あんな店のことかね」と浮かぶ「町中華」。そうそう、みんな少なからず思い出す店がある気がする。そんな店のリポートでもなくて、ましてやメニューや料理の紹介でもないけど、何だか町中華とはこんなモノだよねと、思わずふ~んと頷きながら読了。この町中華探検隊というのが、なかなかと面白い発想だった。でも、昔と比べるとやっぱ町中華の店は減ってきている気がするな。昔近所の町中華にあったA定食、B定食とかが懐かしい。 ☆☆☆★★2020/06/07
saga
49
テレビ東京の「孤独のグルメ」を視聴して以来、地元や出先でも個人営業の飲食店に意図的に入るようになった。一人の時が多いので、最も入りやすいのが町中華・ラーメン屋や蕎麦屋だ。トロ氏、マグロ氏、竜氏が、それぞれの個性で町中華を語る本書。町中華探検隊の活動にも興味が湧いた。2020/05/09
Shoji
43
本文から引用します。「町中華はグルメから最も遠い存在、食のウンチクなんて入り込む余地のない、働く力のチャージ場所という飯屋本来の姿。グルメ至上主義への反発。」とのことです。納得です。町中華は油をふんだんに使った濃い味付けの店なんですが、不健康と一言で切り捨ててはダメなようです。2019/12/16
ホークス
34
元本は2016年刊。消えゆく町中華を訪ねる探検隊の活動報告。赤いカウンター、デコラ貼りのテーブル、古い漫画雑誌などを見ると思い出に包まれる。主な隊員も私と同じ昭和30年代生まれ。本書はじゃれ合いが多くて食レポも大したこと無い。しかしトロ氏は、今残っている店は長い年月を勝ち抜いてきた優秀店だと気づく。だから「もう、パッと入って一度食べただけで、店の評価を下すのはやめよう」と決める。ハッとさせられた。町中華もトロ氏のこともナメていた。今や町中華は誰もが知る言葉。時の流れは止められないけど、時の堆積を味わいたい2024/09/13
Kazuko Ohta
24
結局「町中華」とは何かわかりません。大衆食堂と何が違うのかしらんと思うのですが、要は中華を名乗っていないと駄目なのですね。中華を名乗っているけれど、カレーやオムライスやカツ丼がメニューにある。時にはナポリタンの幟まで。そして、美味しいのはNGらしい。かなり内輪受けの印象で、正直言ってイマイチでしたが、不味ければ不味いほど盛り上がるという話を読んだときにハタと気がつきました。これこそが町中華なのではないかと。こんなもんをわざわざ食べに来ている自分ってなんかええやん、そう思わせてくれる店こそが町中華なのかも。2018/10/03
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