内容説明
突如、激しい大地震に襲われた「町」。
新興住宅地の道路が遮断され、十五軒の家が完全に孤立した。
日が暮れ、月も星もない完全な闇が町を支配する。
閉鎖された極限状況の中、人々の精神状態は悪化していく。
その闇の中で、人間ではない何かが人々を狙っている。
一人、また一人、犠牲者が……。
極限化の人間の恐怖、混乱、死、そして強さを、
サスペンス色豊かに描くパニック小説の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
123
一気読みの一冊。舞台は大地震に襲われ、道路は遮断され完全に孤立した町。その町の人々が襲われる恐怖を描いた物語。これはまさに夜に読むのに相応しい一気読みの世界。暗闇に光る赤い目の正体、グロテスクな犠牲者の姿、想像するだけで恐怖が。でも赤川さんが随所にチカラが抜けるようなシーンを盛り込ませてくれている。そのおかげで適度に気が和む、この緩急が良かったな。極限状態、パニックから次第に冷静に、徐々に団結していく姿、浮かぶ数々の知恵も読みどころの一つ。赤い目の正体…余韻を残すところも良かった。2020/06/25
ままこ
93
地震で孤立した新興住宅地での群像劇。助けを求めに行く側と助けを待つ側。残された住民は団結していくが…。赤川さんらしい軽妙さも入ったホラー仕立てのパニックサスペンス。それにしても桂子は悪運強いな。中川の潔さに感服。闇の中の赤い目の恐怖。タイトルがぴったりな作品。2020/07/03
ポップノア♪@介護奮闘中。
91
【再読】大地震で唯一の交通路である橋が崩落し孤立する小さな新興住宅地。生き残った住民は1ヶ所に集まって救助を待つが、得体の知れない巨大な猛獣に一人また一人と襲われて行く···。学生時代に乱読した赤川作品のほとんどは覚えていませんが(先生ゴメン!)、これは強烈な恐怖ゆえ鮮明に覚えてました。殺戮を楽しんでるかのような猛獣の赤い目が音も無く近づく度に背筋が凍ります。更に悪意のある住民もいて展開を読ませません。そんな緊迫状態の中での一夜のロマンスや、幼いみゆきちゃんの言動が印象的。個人的には赤川作品No.1です!2020/06/16
★Masako★
76
★★★★超久しぶりの赤川さん♪読友さんのレビューにそそられて読んでみた。突然の大地震により新興住宅地が崩壊、道も遮断され完全に孤立してしまう。恐怖に怯える住民たちに、更なる恐怖が襲う。それは夜になると現れる赤い目の巨大な怪物だった!1人、また1人と犠牲者が…いや~、これは一気読みの面白さ! 単なるパニックサスペンスものではなく、怖さの中にも赤川さんらしいユーモアが加えられていてその加減がとてもいい。終盤命をかけて闘おうとする住民たちの姿が素晴らしい!こういう赤川作品、もっと読んでみたくなった♪【図書館本】2020/08/19
coco夏ko10角
25
平日の昼、大地震で孤立してしまった場所でのパニック小説。赤川次郎のパニックものだと『白い雨』がよかったから期待してたけど、ちょっと物足りない。最初の方で向かい側から静かに落ちていったサラリーマンっぽい人?はなんだったんだろう。2020/10/13




