内容説明
テオとシルーカが出会う遥か以前、戦史に残る男たちがいた。初めて聖印を生み出した始祖君主レオン、大工房同盟を築いた鉄血伯ユルゲン、聖印教会の創始者エルネスト。皇帝テオにつながる英雄たちの姿が描かれる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
31
これは始祖皇帝テオ誕生より遥か以前にいた英雄達の姿を描いた物語である。サブタイトルの「英雄の系譜」この言葉に相応しい前日譚でもあり、後日譚となっている今作。シルーカやマリーネの口から語られる英雄達の戦いの歴史。それは本編に勝るとも劣らない重厚かつ、強烈なものでその歴史がテオに繋がっているという事実を思うと改めて胸が熱くなった。レオン、ユルゲン、エルネストの姿を描き、皇帝となったテオと妃シルーカのその後を僅か200頁程度で描ききった水野先生の筆力は本当に凄まじいな。見事な前日譚であり、後日譚だった。2018/09/21
よっち
28
帝国の体制を整えるため、過去の資料や逸話を紐解いていくなかで綴られてゆく始祖レオン、鉄血伯ユルゲン、初代教皇エルネストといった物語の世界観を構築した過去の英雄たちのエピソードが綴られてゆく短編集。戦いが終わってからの主要人物たちのその後の状況も交えつつ語られてゆく英雄たちのエピソードはどれも魅力的で、それぞれ一冊にしてもいいくらいの奥行きがあるだろうと思うともったいなくも感じましたが、これがこれからの未来にもきちんと繋がってゆく、物語の最後を締めくくるにふさわしい流石の一冊でした。次回作も期待しています。2018/09/21
まるぼろ
18
本編の後日談であると同時に、シルーカの行っている歴史の編纂を垣間見る形で混沌と聖印の歴史をなぞっていくお話です。とても興味深かったし、面白いお話でした。歴史の影にパンドラの姿ありと言ったような内容でしたが、それをテオやシルーカ、それにマリーネやアレクシスが知って過去に思い至る事で未来に生かして行こうとする思いが読み取れてとても良かったな、と思いました。そういった意味でも最後のテオとシルーカの子供が埋めれたシーンはとても印象的に映ったいいラストだったなとも思えました。とても好きなシリーズでした。2019/09/27
如水
15
…読むの忘れてました。本棚整理したら『あっ!外伝読んでない』と言う事に気付き💧話は10巻以後のテオ達の足跡を辿りつつ、シルーカが過去封印された戦史を調べて行くと始祖君主レオン、大工房同盟を築いたユルゲン、聖印教会創始者エルネストに行き着いた、その3人の御話し、と言う感じ。だから始祖皇帝となったテオの後の話も見れると言うファンには至れり尽くせりな外伝です。グランクレスト『戦記』なので統一=覇道だった、んですが、最後迄テオは自分の来た道を悩んでた、それが良く分かり、最後は自分が許せたと思えた事に👏を。2022/12/20
akiu
8
"DO" は「ドロップアウト」。大戦後の後日譚の中で、歴史を紐解く形で語られる伝説。始祖君主レオン、鉄血伯ユルゲン、初代教皇エルネスト〜プリシラ誕生。謎に包まれていたレオンの豪胆っぷりが良かった(挿絵と合ってない)。シリーズ化は無理かもしれませんが、この時代の方が TRPG には向いているのではないかなぁ。ユルゲンとビョルンの酒飲みエピソードは好きですが、悲劇には唐突感が強くてちょっと。そして最終話の難産っぷりは読んでいても伝わってきた。テオは最後の最後で救われましたね。これで小説は全部幕引きなのかなぁ。2018/12/11
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