文春新書<br> 姫君たちの明治維新

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文春新書
姫君たちの明治維新

  • 著者名:岩尾光代【著】
  • 価格 ¥1,018(本体¥926)
  • 文藝春秋(2018/09発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166611843

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内容説明

明治150年に贈る、幕末維新をきっかけに思いもしなかった苦労に見舞われた大名・華族の姫君たちの物語。

深窓の令嬢どころか、堅固なお城の大奥で育った、正真正銘のお姫様たちも、維新の大波には翻弄されます。しかし、決してそれにめげることなく、それぞれの運命を逞しく生き抜いてもいきました。

徳川家では、最後の将軍、慶喜の義理の祖母でありながら、淡い恋心を交わした一橋直子、また、そのとばっちりを受けた形の、正妻の徳川美賀。
加賀百万石の前田家では、東大の赤門を作るきっかけとなった、将軍家から嫁入りした溶姫のさみしい晩年。
九州の大藩、鍋島家では、新政府の外交官になった夫とともに、ヨーロッパに赴き、社交界の華とうたわれた鍋島胤子。
篤姫や和宮など、メジャーどころはもちろん、歴史教科書には出てこない、お姫様たちの生涯は興味津々。

とくに落城の憂き目にあった姫君たちの運命には、思わず涙します。
なかでも、もっとも数奇な運命をたどったのが、四賢侯の一人、松平春嶽の側室の子である池田絲。維新後の混乱で彼女は松平家の庇護を受けられず、なんと芸者に。そこで、お雇い外国人であったフランス人の軍人と知り合い結婚。二人の間に出来た子が、明治の歌舞伎界の大スターである十五世市村羽左衛門! まるで小説のような物語がそこにあります。
20人を超える姫君たちの物語にご期待ください。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きみたけ

57
著者は文部省から毎日新聞社出版局に転職した経緯を持つ岩尾光代氏。幕末維新をきっかけに思いもしなかった苦労に見舞われた大名・華族の姫君たちの物語。明治維新の激動の時代に華族となった旧大名(徳川家、加賀前田家や佐賀鍋島家)たちは、欧米駐在公使などに抜擢され活躍する中、大名家の姫や妻たちは短い時間で慣れない海外生活や海外スタイルに順応していきます。この時代の女性の逞しさに感服です。「嫁姑戦争」の愛憎劇は、過去も今も変わらず繰り広げられたんですね😅2021/09/01

夜の女王

27
明治維新で翻弄された大名家の女性たちの列伝。篤姫や和宮以外はマイナーな人が多い。徳川家の姫たちについては「徳川おてんば姫」や「花葵」などを読んだので、ある程度の知識はあったが、喜佐子、久美子嬢が妾の子かもしれないとは初耳。本人たちの本にはそんな影は微塵も見えなかっただけにビックリ!終章の「戦火のかげで 落城の妻たち」は悲哀が漂う。が、松前藩にしろ南部藩にしろ会津藩にしろ、誰も戦国時代のお市の方や淀殿ような死に方をした人は一人もいない。維新後も生活に困ることもない。そういう意味では悲惨さは少なく読みやすい。2019/06/24

ごへいもち

17
なんだか取り止めのない文章だったなー2020/01/03

Cinejazz

14
徳川幕府が瓦解するまでの270年もの長き間、お城やお屋敷、宮殿の奥深くで蝶よ花よと育てられた姫君たち。そんな彼女たちに時代の大波が襲いかかった!庶民が羨ましがるような雅な生活様式とはかけ離れた、格式や風習に束縛された世界から急転直下、生活のすべての変容を余儀なくされる様は、生々しく痛々しい。生まれついたる宿命とはいえ、吹き荒れる時代を逞しく生きていかざるを得なかった女性たち。 正史では窺い知れない明治維新の舞台裏の人間模様が綴られた労作です。2021/12/24

hitotak

9
徳川、宮家、大名家の姫君たちが幕末から明治の大変革期にどう運命が変わっていったのかが書かれている。記載されている家系図を見ると、宮家や公卿、大名家の間には縁戚関係が張り巡らされ、江戸期から既に日本の上流階級はみな縁続きだったことも分かる。特に印象に残ったのは、幕府側の勘定奉行だった小栗上野介の妻・道子の官軍からの逃避行。夫は捕えられ、自身は妊娠中だったという。どの姫君や妻女にも親戚や家臣の庇護があったが、上流夫人として華やかに暮らした人、早世した人、家の存続に尽くした人など、維新後の人生は様々だ。2020/08/09

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