内容説明
僕が小学六年生の春、両親が離婚した。家を出たギャンブル好きの父ちゃんは、将棋の天才の姉ちゃんに賭け将棋をやらせて暮らしている。父ちゃんが「ご立派」と呼ぶ母ちゃんの元に残された「普通」の僕は、非常識で破天荒で、将棋以外何にもできないくせに、楽しそうに生きる二人を軽蔑しながらも、どこか羨ましい――読む人の心を激しくゆさぶる、おかしな家族の四十年。感動の家族小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のんき
118
父ちゃんがよかったあ。競馬競艇、パチンコなど、ギャンブル好き。働かないで、姉ちゃんの得意で強い将棋で、勝敗を賭けて生活しています。まぁ、どうしようもない父ちゃん!普通の息子にとっては、離婚して離れて暮らす父ちゃんも家族。誰でも、完璧な人はいないからミスをします。でも助け合っていくしかないんですよね。わたしだって、ドジって迷惑を掛けることもあるし、逆に迷惑を掛けられることもあります。まぁ、それが家族とか会社とか社会なんだなぁ。ときには、肩の力を抜いていきたいとも思いましたあ2018/11/09
R
114
将棋を扱った小説だけど符号は出てこない、抽象や象徴としての将棋だったが、不思議と将棋していた感触が残る人情物語でした。将棋しかできない姉と、ロクデナシの父親の面倒を見ながら、普通の人として歩んでいく主人公が語り手のようでもあるのだけど、父親や姉を羨ましいと思ったり、姉が将棋ですごい人となってほしいと願っていたりと、特別であることへの憧れと、そうではないこととの差、そして、本当に大切なものは何かについて考えが成長していく物語で、大変よかった。2024/03/23
ゆみねこ
106
真面目で普通の守の目線で描かれる、おかしな家族の物語。将棋の才能は秀でているけれど他のことは一切出来ない姉・りか子と、姉の賭け将棋の稼ぎでギャンブルする父。確かに家族小説。2018/10/21
のぶ
105
とても温かく庶民的な家族小説だった。主人公は僕の守とお姉ちゃんのりか子。お姉ちゃんは将棋が強い。僕が小学六年生の時、両親は離婚してギャンブル好きの父ちゃんは姉ちゃんに賭け将棋をやらせて暮らしている。そんな父ちゃんもそんな悪い人には描かれていない。姉ちゃんはプロを目指すが、実力と年齢の問題で断念せざるを得なかった。この話、1979年に始まって2017年まで40年近くの長い物語。しかし時代の流れをあまり感じさせない。根底に流れているのは将棋。ともかくもおかしな家族の物語。2018/11/02
紫綺
104
型破りの親爺と風変わりな将棋の強い長女、しっかり者のお袋とフツウの僕。離婚して双手に別れた家族のものがたり。派手じゃないけど、じわ~っと染み入るいい話だった。うん、いい家族だ♪2018/12/13
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