内容説明
教科書だけでは分からない歴史の真実がある。
日本の紙幣に天皇の肖像画が一切登場しないのはなぜか?
手塚治虫は、なぜ「火の鳥」の中で「騎馬民族征服王朝説」を描いたのか?
歴史上の悪者「物部守屋」は、なぜ後世になって顕彰の対象になったのか?
聖徳太子は、本当はどんな人物だったのか?
豊臣秀吉と砂糖との意外な関係とは?
「源義経=チンギス・ハン」説はどのように生まれ、そして広がっていったのか?
なぜ、電話もインターネットもなかった江戸時代に、全国津々浦々、同じような落書きが広がったのか?
過去の自然災害の記録から、現代に生きる私たちは何を学ぶべきなのか?
など、教科書だけでは分からない歴史の真実と、その教訓を紐解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
109
サブタイトル「教科書が教えてくれない日本史の謎」に惹かれて、読んでみた。木簡や拓本から読み解く、歴史の発掘。「一部の権力者たちによる物語ではなく、無数のに人々によってつ紡がれてきた」歴史の再発見、を期待して読んだが、いまいち興味が湧かなかった。2019/02/09
AICHAN
32
図書館本。「天皇はなぜ紙幣に描かれないのか」「聖徳太子は本当に万能の政治家だったのか」「手塚治虫はなぜ『火の鳥』で騎馬民族を描いたのか」「戦国武将たちを魅了した遊びの謎」「日本社会の男女観はどのようにつくられたのか」といった謎を教えてくれる本。という売り込みなのだが、それらの問いに十分には答えてくれていない。現存する歴史資料はほとんどが勝者の側のもの。しかし捨てられた木簡などには敗者の歴史が埋もれていることがある。それらから本当の歴史を推理するという本なのは評価できるのだけど。2019/01/08
assam2005
20
タイトルとサブタイトルが逆のような気がします。「天皇が紙幣に描かれない理由」をまるごと一冊で述べるのではなく、教科書には載っていないのに語られる歴史の数々の謎について述べられた一冊。聖徳太子は万能の政治家だったか、「源義経=チンギス・ハン」説の誕生と拡大した理由、過去の自然災害(平安時代の東北大地震)から学べること等。タイトルの謎についての理由についても、ああなるほど、と思えるもの。歴史の中で天皇がどう扱われていたのかを理解していればわかることなのに、即答できずについ読んでしまいました。2018/11/11
HMax
19
タイトルに騙された感あり。戦国武将や古代の偉人ではない、小さいけど大事なことを研究した著者が解説する、ちょっとした小ネタっぽい話しを中心にした歴史の楽しさを味わう本。「書きおくも かたみとなれや 筆のあと 我はいづくの 土となるらむ」400年以上前にはやった古跡名刹めぐりの落書きの話しが一番心に残った。他:日本で2番目に古い石碑681年が群馬県にあるというのが驚き。上野三碑。2019/02/09
kenitirokikuti
9
図書館にて。著者は国立歴史民俗博物館教授。本書は小学館のサイト「BOOK PEOPLE」連載歴史エッセイ「日本史の迷宮」をまとめたもの。表題はエッセイのひとつであり、巻全体のテーマではない▲明治の硬派学生向け男色物語『賤のおだまき』、平田三五郎の辞世の歌とされる「書き置くは片見ともなる筆の跡我は何くの土となるらん」。実は17世紀ごろ流行った寺院への落書きである。同時代の記録にはないが、寺の壁には多数残されている。そういうこともあるんだなぁ…▲つづく2020/01/22