内容説明
AI時代を迎え、従来の地政学の常識は大きく書き換えられていく。戦略兵器となった「AI兵器」が核にとって代わり、熱い戦争ではなく「水面下の刺し合い」が主戦場となる可能性すらある。大事なのは、技術の革新を認識しつつ、変わらぬ人間の本質と冷徹な現実を見据え、世界の行く末をクールに考え抜く姿勢だ。戦略的思考に定評のある元外交官が、縦横無尽・自由自在・ユーモアたっぷりに未来を読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
父さん坊や
15
買った後に知ったが、週間新潮に連載した内容に加筆したもの。宮家さんの議論の確認にはなったが新たな発見はAIが次世代の核にあたる戦略的重要さを持つという点だ。それ以外は特に。 2019/02/11
inami
15
◉読書 ★3.5 2015年末〜2018年4月「週刊新潮」のコラム欄に連載されたもの。AIが地政学や軍事面にどのように影響を与えるのか、または与えているのかを知りたく読んでみた。第一章「AI革命で激変する地政学」で、米中・米露・日韓・日朝・日中、これらの二国関係にAIが及ぼす影響について触れている。AI技術による米中の力関係の変化が日本の安全保障に直結。AIを単なる「戦争手段」や「戦略的兵器」と捉えるべきではない・・今、核兵器はあまりに強力過ぎて逆に使えない兵器だが、AI兵器は?核より、むしろ恐ろしい!2018/10/02
templecity
11
元外務省官僚だけあって国際情勢への洞察は深い。中国と中東は気質が似ている。自国中心に世界は回っている。援助は感謝するのではなくさえるもの。都合が悪くなれば相手の陰謀だと考える。身内しか信用しない。世界はポピュリズムでおかしくなってきている。その点、長期政権である安倍政権は目先の人気取りではなく長期的視点での国益を考えている。一口に米国のユダヤ人と言っても米系ユダヤ人、ユダヤ系米国人では全く考えが違う。今のトランプ政権には筆者も憂いている。その点プーチンの方が強か。等々 2019/07/09
アベシ
11
”語られざる中国の結末”を読んでいたので、AI時代の新・地政学というタイトルからAIと地政学を絡めて詳細な分析がされているだろうと思っていましたが、外交にまつわるエッセー集という内容で、ちょっと物足りなさが残りました。中国を中心に今後AIの進展で世界はどうなっていくのかもう少し詳細に聞かせてほしかったです。 2019/02/17
Satoshi
7
◎再読でした。トランプ大統領が当選してシンガポールで北朝鮮と会談したときの本。現状は中国とアメリカの関係は予想より悪くなってない。ちょっと心に残ったのは、未来のシナリオは複数を予想しておいて、オプションを複数持っておく、という部分。仕事に応用するとお客様を振り回すことになるかもしれないけど、オプションを持つことは大事かな。2020/05/26