内容説明
終末期の延命治療を望まない尊厳死を宣言する人が増えてきた一方で、終末期の苦しみを見かねた患者の家族の懇願を受けて安楽死に導いた医師が殺人罪で起訴される。あるいは自分の意識があるうちにと自死を選ぶ人もいる。
安楽死と尊厳死はどう違うのか? 尊厳死と自死はどう違うのか? 諸外国の状況は?
かつて日本でも数少ないホスピスを併設した病院を友人の医師と共につくり、多くの患者さんの生死に向き合ってきた伝説の名外科医であり、後期高齢者となった今も、公立の診療所で地域医療に務める著者が、安楽死と尊厳死を巡るさまざまな課題、当事者の葛藤などを、自らの死生観も含め、臨床の場にいた者でなければ書けない多様な視点から語り尽くす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みこ
20
仮に自らの最後について明確な意思表示をしていても、行為として自殺を選択しない限り自分の死に方を選べないのが現状である。現在の法整備などに問題が多いゆえに積極的安楽死にはあまり賛同できないが、死に方、いや、最後の一時の生き方くらいは自分で選択できる世でありたい。どう死ぬかではなく、どう人生を全うするのか。2020/12/07
あきむら
5
死に方も自分で選べる時代がくるのかな?2018/12/02
ペカソ・チャルマンチャイ
4
こういったことは、やはりヨーロッパ諸国の方が進んでいるな。日本国民も多くは賛成する事案だと思うのだが、リスクを冒したくない連中ばかりで、さっぱり議論も進まないのは嘆かわしい。自分だったらという想像力がないのか、他人の価値観を認めようとしないのか、これこそ政治家の出る幕だと思うのだが、そんな骨のあるやつはいないらしい。2019/07/09
Aoi\(*ˊᗜˋ*)/
3
賛否両論あると思うけど、安楽死認められてもいいと思う派。いずれ人は死ぬ。生きるのも死ぬのも自分で選べたらいい。自分は望まないまま延命されたくないな。2022/11/24
sakura
3
自分が思い描いている最期の迎え方ができる人って、きっと少ない。自分の意思を伝える事が出来なくなった時。生かされているのが望んでいた形なのか、望んでなかったけど、結果として良かったと思えるのかどうなんだろう。安楽死も尊厳死も、国によって法律が違うだけでなく、個人の見解にも大きく違いが出るから難しいと思う。答えのないテーマだけど、親や大切な人・自分も含めて避けて通れない事の一つだと思う。何が幸せか、生き甲斐や楽しみにしてたかでも変わってくるものかもしれない。2018/10/04