内容説明
世界の無秩序化が進み日本も方向を見失っている今、私たちは「保守とは何か」を確認する必要に迫られている。そのなかで、改めて、成熟した保守思想の意味を問い直し、その深みを味わいのある文章で著したのが本書だ。「保守主義は政治の一部エリートのものではない。それは自国の伝統にある上質なものへの敬意と、それを守る日常的な営みによって支えられる」と著者は述べる。本書が見せる保守思想へのまなざしは、時に厳しくもまた柔軟で人間味豊かだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トラ
7
著者は保守主義の立場から現代を見つめています。本書で最も古い評論はイラク戦争の頃ですが、著者は批判的です。個人的に、この戦争の頃から「保守」とはなんなのかをより一層、意識する必要があったのではないかと考えています。著者の透徹した眼差しは、今この時代にこそ必要なものなのではないかと思いました。2018/05/12
マウンテンゴリラ
4
私の知る限り、先日亡くなった西部邁氏の弟子筋(?)の中で最も信頼できる人、というのが私の著者に対するイメージである。本書においても、その言論内容の逐一に対して、肯かざるを得ないが、それが高じて、西部教、佐伯教の信徒のようになることは自身も戒めなければならない。それは、本書でのテーマでもある「保守」の本義にも反することになるであろうから。そういう意味でも、保守というのが本来、崇め祭られるような主義というものとは根本的に相容れず、人間の理性に過度の信頼や警戒を抱くことなく、→(2)2018/08/18
鬼山とんぼ
1
私はひと回り下の不真面目な後輩だが「西部流」保守主義が好き。大学で指定図書として西部邁のソシオ・エコノミクスを与えられたが精読したのは社会人になってから。保守系論客の本を乱読し一番格調高かった西部さんに感銘し、その系譜を引く佐伯さんも好きである。この本は随分前の評論が多数含まれているが、今の政治・経済情勢でも全く古びていないどころか、中国北朝鮮の軍備強化や皇室問題などホットな話題が持ち上がってきている。戦後の憲法や天皇の成り立ちなど、基本に立ち返った見解がバランスよくまとめられており、頭の整理ができた。2021/09/21
ラムダ
1
情報化社会で流されそうになりがちだけど、こんな一本筋を通す考えかたが必要だと思いました。2018/06/23
とむ
0
明治維新、大東亜戦争、グローバル化。その都度日本の国柄が翻弄されたが、施政者も国民も、明確な信念を持たないままに、ただ流されていったことが、今の混迷につながっているということだろう。「保守」とは何か、その定義すら曖昧な現状に対する憂いが伝わってくる。2020/02/04
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