内容説明
本心では、もう一度会いたかった。嫌悪されるだけとわかっていても。
クロエがギリシアの海運王ニックに再会したのは、彼の姉が主催するチャリティ・ディナーの場だった。昔、クロエは恋人になれると思って、ニックにバージンを捧げた。だが朝になる前に彼は姿を消し、それきり連絡はとだえた。挨拶代わりにいきなりニックに唇を奪われ、クロエは驚く。いいえ、スーパーモデルでもつき合えるプレイボーイの彼が、捨てた女にまた興味を持つわけがない。しかも、今の私は……。何度手術をしても消えなかった、彼女の脚の火傷跡がうずいた。今の私では、ニックのベッドの相手さえ務まるとは思えない。
■自分は醜くなったと思いこむヒロインは、ヒーローに惹かれる気持ちを抑えつけています。しかし、ヒーローが友人の死に対する罪悪感に苦しんでいると知ると、身をなげうって彼の痛手を癒やそうと尽くすのです。そのために、心にさらなる傷を負うことになっても。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiyuki_1717
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自分が誘った仕事で友人を亡くして罪悪感で悪夢にうなされ酒に溺れることもあるヒーローが女性を置き去りにして傷つくことも無いと思うような鈍感な男で、何度も不快な気分になった。島に帰ってヒーローに殴りかかってきた女性も登場させる必要があったのか疑問。大人としての振る舞いではないし、精神疾患のある登場人物を入れるのが流行りみたいになっているのには疲弊気味。ヒロインのように人間てもっと強い物だと思うしそうあって欲しい。友人も生きるか死ぬかの仕事だと自覚して同意したのだし、現実をきちんと受け止めることが大切なのでは?2023/01/03