講談社文庫<br> QJKJQ

個数:1
紙書籍版価格
¥858
  • 電子書籍
  • Reader
  • 特価

講談社文庫
QJKJQ

  • 著者名:佐藤究【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 特価 ¥585(本体¥532)
  • 講談社(2018/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065125908

ファイル: /

内容説明

女子高生の市野亜李亜は、猟奇殺人鬼の一家で生まれ育った。父は血を抜いて人を殺し、母は撲殺、兄は噛みついて失血させ、亜李亜はスタッグナイフで刺し殺す。それでも、猟奇殺人の秘密をお互いに共有しながら、郊外の家でひっそりと暮らしていた。ところがある日、兄が部屋で殺されているのを亜李亜は発見する。もちろん警察は呼べない。そして翌日には母がいなくなった。亜李亜は残った父親に疑いの目を向けるが……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

298
壮大なテーマを背景としたミステリー。とても興味深い物語で刺激的な時間だった。人間自体が如何に脅威で、恐怖の根源であるかを問う。猟奇的殺人の恐怖と資本主義の恐怖を重ね展開させる物語。猟奇殺人の動機は理解できるだろうか。民主的統治の根源は殺人を許容してはいないか。人間は、事実を全く無視し、意識で殺人を容認してはいないか。殺人は異常ではないのではと問う。最大の恐怖。それは、このような人間の社会が共有するありもしない正義への妄想と訴えているか。人間の意識で生じる利他。やはりそれは利己の一部に過ぎないのだろうか。。2021/07/22

イアン

142
★★★★☆☆☆☆☆☆江戸川乱歩賞を受賞した佐藤究名義のデビュー作。一家全員が猟奇殺人鬼という特異な環境で育った高校生の亜李亜。ある日兄が惨殺され母も姿を消してしまう。犯人を追うべく過去を調べ始めた亜李亜が気付いてしまった驚愕の事実とは…。殺人を示唆する業界紙、存在しない戸籍の謎に期待が高まるが、逆にいえばここがピークだったように思う。乱歩賞の選考で大御所作家2名が絶賛しているので名著なのだとは思うが、突飛過ぎる設定や哲学的な考察が脳内で空回りし、1/3も伝わらなかった。自分の未熟さを思い知る読書となった。2024/02/17

JKD

106
猟奇殺人のスペシャリストファミリー?初めの舞台は理解。ただそれ以外が謎だらけ。得体の知れない恐怖と不安、狂気さらに混乱。もうカオスの極み。先が気になってどんどん読み進めると、真実を知りたいような知ってはいけないような不思議な気持ちになるが、それも心地よい。突如現れる謎が恐怖になり大きな波になる臨場感も快感。殺人の解析とか定義付けとか小難しいワードも気にせず読む。そして爽快なエンディング。とにかくブッ飛びすぎて圧倒されました。2018/09/20

Kanonlicht

90
直木賞受賞『テスカトリポカ』は前から気になっていて、まずはお試しという感じでこちらを手に取った。さわりから猟奇小説の類を想像したが、欠落した記憶に隠された真実を追う正統なミステリ。国家の定義や陰謀論めいた話が出てくるあたり、読み手を選びそうな感じはあるけれど、トンデモ過ぎになることなく着地させた力量に直木賞の片鱗を感じた。2021/07/17

かみぶくろ

86
家族全員猟奇殺人鬼の設定とキレのある導入はすごく好きだが、中盤からのリアリティの崩壊がちょっと残念。いや、家族全員猟奇殺人鬼も十分リアリティないんだけど、作家が国家を語りだすときに時折滲み出てしまう「世間を知らない人が色んな本読んで机上で膨らませた妄想」臭が強くて、エンタメ脚色とは知りつつも、なんか苦笑してしまった。2018/10/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13103261
  • ご注意事項

最近チェックした商品