光文社古典新訳文庫<br> 怪談

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光文社古典新訳文庫
怪談

  • ISBN:9784334753801

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内容説明

「耳なし芳一の話」「雪女」「むじな」「ろくろ首」……。日本をこよなく愛したハーン(日本名、小泉八雲)が、古来の文献や伝承をもとに流麗な文章で創作した怪奇短篇集。日本の文化、伝統、習慣を世界に紹介し、いまや「日本文学の古典」として読み継がれるハーンの代表作。昆虫エッセイ「虫の研究」も収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

91
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンによる怪奇文学集。「怪談」と「虫の研究」の2部構成。いわゆる不気味な話の「怪談」の方は「耳無芳一の話」「雪女」など著名な話を含めて17篇。中には掌編の短さで、えっもう終わりなのという感じのもある。大体が地方伝承の民話のような感じで、怖いというよりも不思議な現象に畏怖の念を持たせる内容でなかなか印象深いのがある。「ろくろ首」はそういう話だったのかと物語としても結構な面白さ。他には「かけひき」も唸らされる。桜にまつわる2篇は共に命に関わる話で何かしら謂れがあるのかもと思った。2019/07/30

sin

80
昔から知る「雪女」や「耳なし芳一」あるいは「むじな」等、覚えているストーリーの内にある忘れていた表現に思い浮かぶ情景に、日本と云う国の消え失せた詩情が垣間見えるようだ。それは情緒的な日本人の語り口を希臘人の論理的思考で語り直し、またそれを翻訳し直すと云う行為が、まるで濾紙を通したように夾雑物を取り除いた文章のシンプルさに却って深く詩情を感じるのだろうか?それとも歳月を経て老年に足を踏み入れた己れの感性が、この国に魅了された異国の魂にシンクロしているのだろうか!まさしく和洋折衷の物語と感じた。2020/08/30

樋口佳之

49
unlimitedにて。やっぱり「耳なし芳一」が飛び抜けて良いと思いましたが、源平の合戦、平家物語を知らない外国の方にはどうだったのだろう。2022/09/02

星落秋風五丈原

45
『雪女』 有名どころ。雪山で山小屋で休んでいた木こりの巳之吉と茂作が眠っていた。ふと目を覚ますと、目の前に雪女がおり、巳之吉の目の前で茂作が息を吹きかけられていた。女は美しく、かつ恐ろしかったが、巳之吉に今夜の事を誰にも言い含めないよう命じて立ち去る。やがて巳之吉は美しい娘と結婚し、子供をもうけるが。めでたしめでたしで終わるはずのない話。姿を現せば思い出し、話すかもしれないととわかっていながら、雪女はなぜ巳之吉の前に現れ試すような事をしたのか。本作においても恨みは感じられない。雪女の悲しみが感じられる。2025/08/14

kazi

45
小泉八雲こと、ラフカディオ・ハーン氏が日本各地に伝わる伝説、幽霊話などを再話した「怪談」です。流石に読ませますね!個人的にはやはり「耳なし芳一」がクオリティーの高さという点で群を抜いていると感じましたが・・、どうでしょ?そのほか、旅の僧が宿を求めて迷い込んだ山中の館にて怪異と出会う「ろくろ首」とか、美しい妻が実は妖異であったという「雪女」なんかも好きな話です。生前の功徳や罪業によって“輪廻転生”する話が多く、非常に日本的な物語だと感じたが、その点ラフカディオ・ハーン氏はどのように受け取ったのだろうか?2021/06/07

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