内容説明
中島飛行機という小さな飛行機会社のエースとして、「九七式」「隼」「疾風」などの戦闘機を開発した天才技師・小山悌。終戦間際は「富嶽」と呼ばれる極秘計画に取り組んでいた。小山が富嶽に込めた願いとは?
本書には、紙版に収録されていた図版の一部が収録されておりません。予めご了承ください。
※本書は2017年7月28日に配信を開始した単行本「銀翼のアルチザン 中島飛行機技師長・小山悌物語」をレーベル変更した作品です。(内容に変更はありませんのでご注意ください)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
52
生きていたら100歳を超える実父がいた会社で、何も聞けなかったので中島飛行機関連の本が出ると読まずにはいられません。終戦後富士重工に誘われたのに行かなかった父の思いが疑問でしたが、今やっと気持ちが理解できました。戦地に行かなかったのも、中島飛行機は招集対象外だった!のも初めて知る事でした。多くを語らなかった知久平さん、小山さん。「疾風」の優秀性に英米が驚嘆し、増産される前に終戦となった事に安堵していたとは。「零戦」が有名になったかげで、こんなドラマがあったとは。中島飛行機が素敵な社風だった事が嬉しい。2018/08/29
roatsu
24
主人公は小山悌技師だが彼を中心に、大器の片鱗を見せる若き糸川英夫技師や型破りの社長・中島知久平翁ら航空技術の戦いに粉骨砕身した同時代の中島関係者達を描き起こす群像劇でもある。東洋最大の航空機メーカーだった中島飛行機の同時代史とも言えよう。政官民の共犯で国を誤った当時の政治情勢や威勢のいい主戦論で国政を煽り、敗戦後は口を拭って生き延びた文化人の今と変わらぬ出鱈目さ、軍を始め役所体質の硬直化した政策に振り回された戦時下の軍用機量産体制の実相などにも紙幅を割き、一技術者の軌跡にとどまらない作品になっている。2018/01/27
ふぇるけん
16
三菱重工の堀越二郎は有名だが、中島飛行機は名前程度そして本書の主役である小山悌氏については恥ずかしながら知りませんでした。隼や疾風など数々の名機を生み出し、かつパイロットの命を守る設計を重視。また、彼を後から支えたビジョナリーである中島知久平氏や、若き日の糸川英夫氏などの絡みも面白く、読み始めたらあっという間だった。2018/02/07
tom
15
戦前の飛行機作りの技術者を取り上げた本。現スバルの前進「中島飛行機」の仕事に対する姿勢、風土は、こういうものだったのかと想像させる。いつの日か、車を買い替えることがあったらスバル車を候補の一つにします(笑)。技術者・職人の話は、いつも楽しいと思うのだけど、この本もそのうちの一冊。2017/11/27
inarix
15
中島飛行機の創業者、中島知久平。一式戦闘機「隼」などの設計者のひとり、日本の宇宙開発の創始者でもある糸川英夫。零式艦上戦闘機「零戦」の設計者、堀越二郎。彼らの名と功績を知る人は多い。しかし、小山悌は? 知久平の伝記においてたびたびベテラン技師として登場する彼の名と功績を、いったいどれほどの人が知っているだろう? 彼は「隼」をはじめ「疾風」「鍾馗」など、多くの戦闘機を開発した中島飛行機の技師長。これは日本の航空産業界の発展から終焉までの時代とその後を、あくまで一技師として歩んだ無名のひとの伝記である2017/10/18
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