内容説明
マラルメ,ヴェルレーヌとならぶフランス象徴派の詩人ランボオ.その文学への訣別の辞ともいうべき『地獄の季節』,言葉の錬金術の実験室といわれる『飾画』は,彼の特異の天禀を示した代表作である.鋭い叡知と感受性,強烈な野性と独創的な技巧を奔放に駆使したこの天才詩人は近代詩史上の明星として輝きつづけるであろう.
目次
目 次
地獄の季節
*
悪 胤
地獄の夜
錯 乱 Ⅰ
錯 乱 Ⅱ
不 可 能
光
朝
別 れ
飾 画
大洪水後
少 年 時
小 話
道 化
古 代
being beauteous
生 活
出 発
王 権
ある理性に
酩酊の午前
断 章
労 働 者
橋
街
轍
街 々
放 浪 者
街 々
眠られぬ夜
神 秘
夜 明 け
花 々
平凡な夜曲
海 景
冬 の 祭
煩 悶
メトロポリタン
野 蛮 人
見 切 物
fairy
戦
青 年 時
岬
場 面
歴史の暮方
ボ ト ム
h
運 動
献 身
デモクラシー
天 才
訳者後記
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
142
ヴェルレーヌに「非凡な心理的自伝」と評された『地獄の季節』。散文詩が主調をなしているが、「歌う」詩というよりは「絶叫」するかのようだ。もっとも、ランボーにあっての文学的営為は絶叫することに於いてしか表現のしようがなかったのだろうが。また、詩集全体の構成意識も(普通の意味では)きわめて希薄だ。いわば次から次へと魂の彷徨のままに言葉が衝きつけられていったかのようだ。こうしたあたりは、まさにシュールレアリスト達の「自動筆記」に先駆するものだろう。『飾画』は一転してものやわらかな散文詩だ。訳文は朔太郎を思わせる。2013/06/19
新地学@児童書病発動中
122
うーん、これには困りました。鹿児島弁で言うばったないならん(どうしようもない)状態でした。詩は意味が分からなくても、伝わるものがあれば、どんどん読めるのですが、これは伝わってくるものが少なかったです。ところどころにはっとするような美しい表現があって、さすがだと思ったのですが、詩の中には入りこめませんでした。10代の天才詩人の胸の内を理解するには、年をとりすぎたのでしょう。2016/05/05
青蓮
107
Twitterのフォロワーさんのお勧めで手に取りました。「心理的自伝」とヴェルレーヌが評した天才詩人の散文詩。普段あまり詩を読まないせいなのか、そもそも私にポエジーが無いからなのか(多分両方)正直、難解でした。書かれたその時代の背景を知っていたならもう少し内容も理解できたかも知れません。これを機に詩集も色々読んでみようかなと思いました。「過ぎ去った事だ。今、俺は美を前にして御辞儀の仕方を心得ている。」2017/07/20
クプクプ
67
タイトルに惹かれて買って読みました。散文詩で「正義にとりつかれないようにすることだ」や「恐怖はフランス人には禁物だ」という表現が、心に残りました。フランス語原文ではなく、小林秀雄の日本語訳なので、読んで本当に理解した、とは言えませんが、若い頃のランボオの心の叫びは、自分にも重なる部分がある、と思いました。時代背景や、フランスという土地が理解できれば、もっと楽しめる作品だと感じました。2026/05/04
猫丸にゃん太
54
地獄の季節で主張している事は二点あり、一点目はブルジョアへの批判である。ブルジョアは道徳という社会的欺瞞の仮面を着けてプロレタリアを支配しているという。つまり、ランボオは彼の時代のフランスでは嘘つきが得をするという不条理に嘆ている。そして人民に訴える、エデンの様に正直な世界が本当の幸せな世界なんだよと。二点目は詩人という幻想世界との決別である。彼は幻想の世界に於いて現実からの逃避をしていたわけで、p60に於いて現実回帰を宣言する。さらに、幻想と言う嘘を捨てることで正直さを獲得したと主張する。2015/03/24




