内容説明
銀座は南紺屋町にある下宿屋「静修館」。若き大家の梨木桃介は無類の世話好きだ。家事万端を見事にこなし美味しい食事を作ってくれる桃介の元を追い出されるわけにはいかぬと、小説家の仙道湧水は我儘を封印して生活している。ある日、湧水は馴染みの記者から粗悪品の醤油を打っている店があるという噂を聞きつける。それは桃介とも縁の深い店だった。桃介の曇った顔は見たくない。湧水は探偵のごとく真相解明に乗り出すのだが――。明治の下宿屋を舞台に贈る、心あたたまるミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mihya
64
頃は明治。下宿『静修館』に住む作家の仙道湧水。傍若無人の性格の湧水が、下宿先の大家の人柄と料理に惚れ込み、猫を被る様がなんだかおかしい。それでいて繊細で情緒あふれる小説を書くという。作家ならではの推理で日常系の謎をとく短編集。 最初は何となく文に馴染まない気がしたが、すぐに慣れた。 どうやら何かのスピンオフだったらしいが、全然問題はなかった。機会があれば元ネタも読んでみよう。2023/07/19
はつばあば
56
あぁ~桃介のような亭主欲しい~!。「静修館」の大家梨木桃介が作る料理に心を奪われている小説家、仙道湧水。明治の男って「結界師」登場の朔もそうですが、オレ様気分満載ですが惚れたものには猫を被るんでしょうかねぇ。料理だけでなく家事全てに秀でた桃介。その桃介に頼まれれば一肌も二肌も脱いで探偵のように謎解きをする湧水。反対に好き勝手に言える坂口との会話も面白い。古き良き時代の推理物が多い作家さんのようです(#^.^#)。2023/08/06
くたくた
46
穏やかで優しい視線で、明治の街並みや空気感を映し出す。ミステリであるが、誰も死なないし、凶悪だったり、悪辣に過ぎる犯人も出てこない。人の心を温めるために丁寧に書かれたほんのりと人肌の物語達。三木笙子さんの作品も、私の心の包帯系。明治の東京の下宿屋静修館の大家は料理上手の働き者で、一癖も二癖もある下宿人たちはがっちり胃袋を掴まれている。そんな下宿人の一人である小説家の湧水のもとには、なぜか謎解きが持ち込まれ、大家の桃介も自ずと事件の解決にひと噛みする。帝都探偵絵巻に併走する心優しい物語。装画はyokoさん。2024/09/12
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
36
「帝都探偵絵図」シリーズのスピンオフ。 高広が住む下宿〈静修館〉が舞台ですが、探偵役は人気作家の仙道湧水先生。 そして、一家に1人欲しい梨木桃介さん! ガッチリ胃袋を掴まれたら逆らえませんね(笑)。 下宿人勢揃いで謎解きする『怪しの家』が好き。 優しい気持ちになれるミステリーで良かったです☆2018/10/11
yu
35
Kindleにて読了。 ネットの広告を見て、面白そうだなと思い読んでみた。料理上手な桃介が営む下宿屋に住む小説家仙道湧水。ひょんなことから紛れ込んでくる謎に挑むことになる。編集者の坂口とのやり取りが面白い。続編出たら絶対に読む。2018/09/29
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