内容説明
東京の下町でひっそりと営業する「あずかりや」。店を訪れる客たちは、さまざまな事情を抱えて品物をあずけにくる。どんなものでも一日百円。店主の桐島はなぜこんな奇妙な店を開いたのか? 理由は、桐島の青春時代に隠されていた--。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
241
『あずかりやさん』前日譚4話。又はサイドストーリー。あずかりやさん店主の背景、物達がここに集まった経緯を知る事が出来ます。前巻を読んでいると、あの時の道具の事かと、思う事が出来ますが、順序を換えてもそんなに違和感なく読めそうな気がします。前作同様にゆったりとした時間の流れの中に、ちょっとスパイスが効きながら、穏やかな物語に包まれます。栃木の「うさぎや」って本屋さんの手掛けるカバーも良いんですよ。映画やドラマ宣伝用2重のブックカバーは早々に棄ててしまうのですが、このシリーズはこっちの方が好き(*˙˘˙)♡。2022/11/18
hitomi.s
134
あずかりやさんの、あずかりやさんになる前のお話。あずかりやさんは、こうして生きて来たんだね。10代のいろんな事を手広く深く深く考えるような時代に、桐島くんの感じたものたちが、あずかりやさんを作ったんだな。当たり前なことを当たり前に思った。私が作ってきた、私もあるはずなんだ。それって、フツーで、すごいことだね。読めてよかった。2018/11/22
まさきち
131
あずかりやさん第二段。前作と少々趣が異なり、店そのものやそこにたどり着いた物たちの過去と歴史を明かす話を中心に集められた4篇の短編集。相変わらず優しい物語でしたが、やはり店に持ち込まれる奇妙な要望達をもっと味わいたい、そんな思いで次作にも期待しての読了です。2023/08/29
dr2006
126
続編となる本作は、店主桐嶋があずかりやさんを始めたばかりの頃の話「あくりゅうのブン」、高校生の桐嶋が恋を経験し自分の居場所(進路)を決める「海を見に行く」その他2編の短編集だ。一日百円でなんでも預かるというちょっとかわったお店と、この愛すべき物語が生まれた経緯が良くわかる。そして何より預かってもらうことによって、預けた者と、時にはその預かり物自身がカタルシスを得ることがわかる。それらの姿に同調しじんわり心が温まっていった。読んでとても良かった。次があるなら、また預けたい。2019/05/12
真理そら
94
あずかりやさんの店主・桐島くんの全寮制盲学校時代の話や、あずかりやさんに預けられているオルゴールや文机の来し方などの物語。トロイメライ、石鹸、星の王子さまはこのシリーズの重要な要素だと分かる。成績優秀で陸上の記録もある桐島は東大に行くつもりだったのにトロイメライの旋律から目が見えた頃の実家の情景を思い出して実家に帰ることを決意する。形から芥川龍之介になろうとする「あくりゅうのブン」が好きだ。2022/06/12
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