SB新書<br> 人工知能に哲学を教えたら

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SB新書
人工知能に哲学を教えたら

  • ISBN:9784797392616

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内容説明

「使える哲学」とはなにか?
AIロボット、ドローン、自動運転。シンギュラリティの恐怖も叫ばれる中、いよいよ活気づいてきた人工知能の世界。アメリカではすでにUberによるタクシーの自動運転が実践化されているといいます。しかし、一方でAIが紛争や殺人に使われる懸念があるなど、モラルや倫理が追いついていない状況に見えます。
果たして、「合理的で」「最適な」答えを出す、人工知能にどうすれば「考え方」を与えられるのか。

本書では、哲学だけでなく、テクノロジーやITまで幅広い分野に造詣の深い岡本先生に、「人工知能に哲学を教える」という設定のもと、「究極な問い」を立てながら、哲学はそれにどうこたえるか…の考え方を提示いただきます。話題の人工知能と哲学を掛け合わせることで、「哲学のおもしろさ」を味わってもらう1冊を目指します。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kentaro

56
人工知能は大量の組み合わせパターンを学び、瞬時に回答を導き出すことが出来たり、大量のデータから人間では到底出来ない検索や計算を瞬時にこなせても、子供でさえわかる簡単な思考や動作も再現することは出来ていない。 もし哲学を人工知能が学ぶことが出来たら、今を生きる時代の常識を理解し、善悪から思考の仕方までそれこそ人間の脳内を完全コピーして人間の代わりとなる脳を知能化した上で専門技術を上乗せできたらそのときがシンギュラリティになるのだろう。決して記憶容量と処理能力が高くなるからではないということが想像できる。2020/03/23

那由田 忠

25
この種の本の中であまり話題となっていないが、思考実験の話が多かったので読んだ。関連した最近の様々な議論が、思考実験の提示(太文字になってる)の中で紹介されていますが、正直議論が深まった感じがしません。浅い理屈(ほとんど深い論理がないまま)で語られています。それが残念。  大きな疑問は、著者が人工知能の発展形として「インターネットでつながった、ネットワーク総体としての人工知能」を考えること。それは「一つ」の知能ですかと問いたい。ネットでつながることと一体化は違うのだと思います。2018/09/20

hk

23
うーん…どうにも舌足らずな解説に終始している。つまりは抽象的で解りにくい。その大要因は導入部において「思考」とは何かを定義しないで、「AIが思考しているかどうかは実のところわからない」と述べているからだ。例えば「思考とは内部知識に外部情報を組み合わせて新たな知識を導き出す行為」と定義したならば、ディープラーニングはまさにそれをやっているわけで思考をしているということになる。書中で「思考実験」が幾度となく行われているが、思考実験の肝は前提条件や事象の「定義と共有」だ。それを怠った場合、思考実験は成り立たない2018/11/06

ophiuchi

15
シンギュラリティの話は「AIが自意識を持ちうるか?」という問いのへの諾否で真っ二つに分かれているというのが現状であるように思う。AIが哲学・宗教・恋愛etcを理解しうるかというのは思考実験として面白いと感じた。2018/12/26

テツ

14
個人に由来する個人的なことを。「今、ここから」開闢している唯一無二の世界で起きている不思議さを客観視するために言語化するところから全てが始まる哲学をAIに教えることができるのか。所謂哲学史的な知識とそれに伴う哲学の遍歴については人間の脳味噌では太刀打ちできない情報量を処理できるだろうけれど、自らの世界とは別に存在している(らしい)膨大な世界との齟齬から生まれる「なぜ?」と、そこからしか芽生えることのない自らの存在を含めた不思議さにAIは気づいたり、それを尊ぶことはできるのだろうか。面白かったです。2023/08/25

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