内容説明
<特別寄稿> 浅田次郎 「法治国家の崩壊宣言に他ならない! 」<憲法> 小林節 「明白な憲法違反を強行する“バカの壁”」<防衛・安全保障> 柳澤協二 「政治家に命を賭ける覚悟はあるのか」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
173
軍隊ではない。攻撃されたら逃げろ。相手を誤殺すれば殺人罪だ。ヘタをすれば国を戦争に巻き込む。PKO法に追加された「安全確保業務」「駆け付け警護」は、交戦権のない自衛隊員にとってかなり苛酷な任務だ。補給を絶つのが必勝セオリーなのに後方支援なら安全だと仰る。本書を読みこの法律が実際の戦闘を余り考えていないことが私にもわかった。紛争地に行く自衛隊員はどんな覚悟を持てばよいのか。米韓と共に南シナ海を守るのは、今の軍事力では無理。つまり軍事費を増やし、広大な地域の危険を分担せよと…これは日本ではなく米のシナリオだ。2023/05/14
ほじゅどー
16
★★★作家、憲法学者、軍事ジャーナリスト、元自衛隊員が危険視する安保法制。集団的自衛権は売られてもいない他人の喧嘩を買うこと。自衛隊員は殺されに行くようなもの。トクをするのは安倍さんとトランプと軍需産業。自衛隊員の退職は許可制で辞めにくい。自衛官は右翼ではない。実情。A級戦犯容疑で巣鴨プリズンに投獄された岸信介。米国に魂を売って出獄し総理に。傷ついたプライドを回復しようと総理を辞めた後思いつめたように自主憲法制定を目指した。そのよじれた祖父の心情を背負っているのが安倍首相。2017/09/13
やまはるか
11
元自衛隊レンジャー隊員筒井高雄氏による小林節、伊勢崎賢治氏など8氏とのインタビュー中心の安保法制批判。「憲法をいかに安保法制に適応させていけばいいかという議論を踏まえて閣議決定した」中谷元防衛相特別委発言のとおり憲法解釈の変更により集団的自衛権行使を可能とした。安倍信三が祖父から受け継いだ日米安保の延長線にあることであるが、執念とも見える米従属は何故か。何を目指すのか。岸田の防衛力増強も安倍路線と軌を一にする。国民的コンセンサスを無視して現れ出でる様は幽霊か亡霊か。2023/01/20
読書家目指すで
4
各々の専門家からの指摘から、最後の自衛隊の目線からの総括はこちらに畳み掛けてくるように勢いがあり、安保法制に対する危機感を覚えた。本書で出てきたアーミテージナイレポートに関してはアメリカに潰された政治家たちを読もうかと思う。2015/10/19
Haru
3
安全保障体制を整えることは重要だ。自衛権が憲法で認められるとも私は解釈している。9条の趣旨は、硬直的な解釈も含めて、議論を重ねて国民に広がらなければならない。今回の法案は戦争へのリアリティが感じられない。国防を考えるにあたって、安保条約をもってアメリカに従属することは戦略的でないと思う。推進派の本も読んでみようと思う。2015/08/29