いりぐちアルテス<br> 文化系のためのヒップホップ入門

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いりぐちアルテス
文化系のためのヒップホップ入門

  • ISBN:9784903951478

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内容説明

ライムスター・宇多丸さん推薦! 山下達郎さん絶賛!
「ヒップホップは音楽ではなく、ゲームです」
気鋭の映画・音楽ライターとアメリカ文学・ポピュラー音楽研究者が、ヒップホップの誕生から現在までを対談形式でお届けする目からウロコの入門講座。これであなたも立派なBボーイ!?
◎100枚のCDガイド付き

70年代終わりに誕生したヒップホップ。初期は音楽として楽しめていたのに、マッチョで暴力的なスタイルが主流を占めるようになって離れてしまった人は少なくないはず。そんな音楽好きの方に、どこをどう聴けば楽しめるのかを伝授する画期的な入門書です。
著者は映画や音楽を題材に活躍しているライター/コラムニストの長谷川さんと、アメリカ音楽研究でも知られる慶応大学准教授の大和田さんのおふたり。対談形式の軽妙なやりとりをお楽しみください。
〈いりぐちアルテス〉第2弾!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kazi

38
めちゃめちゃ面白かった!「ヒップホップは音楽ではない。一定のルールのもとで参加者たちが優劣を競い合うゲームであり、コンペティションだ!」という話は、まさに目から鱗でした。前々からヒップホップ文化の受容のされ方に対して抱いていた“違和感”にうまい説明を与えられた感じです。ヒップホップとタメを張る代表的な商業音楽である“ロック”との比較が非常に面白い。曰く、ロックは個であり、ヒップホップは場である。ロックは単行本で出版される純文学であり、ヒップホップはtwitterのつぶやきである。2021/05/08

1959のコールマン

36
☆4。「ヒップホップはアメリカを変えたか?」がアメリカ的な視点でヒップホップを捉えていたのに対し、こちらは日本人の視点で書かれた本。とはいえ細かいネタがいっぱい。暴露的な事も結構書いている。レコード、CDその他音源を集めるならばこちらの方がいいだろう。歴史的な部分もきちっと分析、整理されている。下段に注がすぐ入るのも良い。ただ、「イヤミ」というか、ちょっと「上から目線(学者目線?)」を感じる。なので減点。生きた人間の呼吸を感じたいのならば「ヒップホップはアメリカを変えたか?」の方だろう。なにせ生々しい。2019/10/01

zirou1984

23
いやぁ面白い。前半部分のアメリカヒップホップ史を文化系の視点から捉え直す部分もいいけど、本書が何より優れているが最後二章。ここではロックとの対比からヒップホップが内的に持っている価値観を様々な例えで示し、最終章でヒップホップとは「少年ジャンプである」「プロレスである」「お笑いである」と何ともキャッチ―な落とし所に纏めている。惜しむらくは、ここ数年でヒップホップを取り巻く環境が変化し過ぎたためか内容について若干の物足りなさを感じてしまうところ。とはいえ、入口としての役割については全く古びていない。2017/12/05

小木ハム

16
ヒップホップの起源は、例えば『ダズンズ』という黒人奴隷制下で流行った話芸。これは如何に巧妙に相手を罵しり観衆を沸かせるかで白黒をつけるもの。暴力沙汰を起こせない環境だからこういった方法が慣習化されたのかな。ロックは純文学で観衆不参加型、ヒップホップはTwitter、初音ミクと同じで観衆参加型だ、というのがなんとなく腑に落ちた。今後メジャーシーンは失墜し、セミプロ、細分化がどんどん進む。Web漫画もそうだけど、ひとえにネット拡大の賜物だなあ。ライム=韻、リリック=詩、パンチライン=オチ、ビーフ=諍い。2018/07/26

しゅん

14
発売当初から読もうと思ってたのに10年経っていた…そして早く読めばよかった…。今やグローバル巨大産業の位置を確立したラップカルチャーの源流と価値意識がクリアに入ってくる。「文化系」だけのための本ではないな。ロックと西洋芸術のオリジナリティ主義や反資本主義信仰とは真逆の感覚をヒップホップは持っていて、日本に当てはめるとお笑いが最も近いシステムで動いている。社会における文化の役割を考察する上で刺激的。「今のR&Bはヒップホップの一部」、「やってるのは黒人だがリスナーの多くは白人ティーン」などの指摘が鋭い。2020/10/08

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