内容説明
死んでくれないかな。ぶらこは時々、最愛の人の寝顔を眺めながら物騒なことを考えている……。
おいしいものきれいなものに目がなくて、気分に大きく左右される、宙ぶらりんのぶらこさんこと野中るり子。ピアニストとして雇われていたバーで、平岡宗介に出会った。るり子と性格は正反対の、真面目なセールスエンジニア。朝食を作っていっしょに食べること。という条件でいっしょに暮らし始めて二年。温まった布団の上で毎朝じゃれ合い、おいしいお米とぬか床から取り出した新鮮な野菜を一緒に食べていると、ぶらこは恍惚を感じる。保守的な土地・名古屋の女友達には、「このへんで手を打っといたほうがいい」と強く言われるが、結婚を申し込まれても踏ん切りがつかない。大好きなピアノが弾けて、好きな人と一緒に暮らしているだけで十分幸せ。でも、自分が開いているピアノ教室で、心ざわめく出来事が起こり……。きちんと将来をイメージできて、着実な人生を設計できる女にはなれないるり子が、葛藤しながら自分の道を探し続ける極辛恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らむり
43
なんだろ、共感て言っていいのかな。心に残る内容でした。家族の物語でもあると思いました。愛知県出身の吉川さんだけに、エセ名古屋弁じゃないので、読みやすかったです。2013/11/10
優希
39
何に対しても中途半端でブラブラしているからぶらこ。宗介はぶらこに真剣に向き合って欲しかったのだと思います。幸福なはずの生活は、暁生のことが気になるぶらこにとってはやはり恋愛にも中途半端だったのかもしれません。でも生きていればそれで良いのかな。2023/10/29
野のこ
21
読みやすく一気読み。でしたが、タイトル通りぶらりと恋に人生に彷徨うぶらこ。うーん、考えが甘いぞ!そして宗介よ、なぜ死んだ!?この後の暁生との関係が気になります。2016/04/18
あっ!chan
21
この本も恋愛小説というジャンルに入るのだろうか?名古屋(三河?)弁で語られる会話が、一寸だけ異次元で軽く感じられ、二人のだんせいの中で揺れ動く女性心理もあんまり深刻に感じられなかった…が、やっぱり最も身近な人の死によって大きく変わってしまい、本当の気づかされてしまう。大好きなピアノが脱け出すきっかけになるのは、まぁまぁ定石のストーリー展開だが、前半は楽しく後半は重たく、全体はさらっと読めるお話でした。2014/06/14
紅
20
名古屋弁がとても楽しく、一気読みしてしまった。トリコさんはもっと少女ぽいものを書いているイメージが強かったので、現実感の強い(?)この作品は意外だったかな。とりあえず、もっと年を経てからもう一度読みたい作品だと思った。因みに今の私は、未来の自分を覗き見しているようですごく怖い物語に思った。まだ私は風船をたくさん持っているからだろうね。だから、怖さを感じないような、風船を失った頃に読んだら何を考えるのだろうと思った。2013/09/20
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