内容説明
亡くなる直前、進化論的な考え方に関心を示したサックス先生は、脳神経系や意識の起源につながる事柄と患者の症例、そして自らの病状をも素材にして思索を深めていた。脳科学の最新成果も貪欲にとりいれた、サックス最後の医学エッセイ集。(解説・養老孟司)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
74
サックス最後の本を再読。遺稿集。フロイトの精神分析医になる前の優れた研究者としての実績、ダーウィンも優れた研究者だったことは、彼らの著書も伝記も読んできた自分には目新しくはなかった。でも、改めて研究者としての着実な歩みを再認識した。サックス自身、幼い頃からの、豊かな前史があることは、素晴らしい自伝「タングステンおじさん」で何度となく確かめてきた。解説はサックスとほぼ同年代の養老孟司の手になる。素っ気ないがそつがない。2022/10/11
やいっち
37
サックス最後の本。遺稿集。フロイトの精神分析医になる前の優れた研究者としての実績、ダーウィンも優れた研究者だったことは、彼らの著書も伝記も読んできた自分には目新しくはなかった。でも、改めて研究者としての着実な歩みを再認識した。サックス自身、幼い頃からの、豊かな前史があることは、素晴らしい自伝「タングステンおじさん」で何度となく確かめてきた。2019/03/19
踊る猫
26
確かな温もりを感じる。書いているサックス自身の息遣いまで聞こえてきそうな……と書くと大袈裟だろうか。私にとって科学は基本的に門外漢のジャンルなのだけれど、サックス(そしてもちろん、訳者大田直子)の平易な文章に誘われてスムーズに読み進めることができた。日頃気になる事柄、例えば体感時間や物忘れや発想ののオリジナリティといった話題からサックスは豊かな学識をソースとして、縦横無尽に連想と筆を走らせる。それでいて嫌味さもクサみもなく、安定感あふれる読み応えを提示してくれる。エッセイのお手本を読んだような得をした気分2023/01/14
アキ
25
2015年に亡くなったオリバー・サックス最後の著作。影響を受けたダーウイン、フロイト、ウイリアム・ジェイムスについての小品集。「意識の川」とは動的な流れる意識のこと。印象に残ったのは「タングステンおじさん」で書いたエピソードを実際には見てないのに体験したように記憶していた「記憶は誤りやすい」の項。「あいまいだからこそ、物語を読むことを直接体験したかのように深くたっぷりと吸収できる、記憶は経験だけでなく人との交流からも生じる」という文。物語を読むことは、他人の人生を自分のことのように生きることと同義である。2018/09/26
ケニオミ
9
オリヴァー・サックスの最後の著作ということで、我武者羅に手にした一冊です。がんを患っていた著者もこの一冊は最後の著作になることを知っていたと思われますので、余計に期待度がアップしました。しかし、教科書を読んでいるようで、いつものように患者に対する愛情を感じる内容の本ではありませんでした。これできっぱりオリヴァー・サックスも卒業です。2018/10/22
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