内容説明
「日本人とドイツ人は似ている」――何となく日本人は勝手に思っているけれど、実際にドイツに住んでみるとまったくのウソでした! 電車で「座りたいから席を譲ってほしい」と堂々と言ったり、簡単には非を認めなかったりするメンタル。安易にマネしないほうがいい「働き方」や教育制度。比べるうちに見えてくる日本の強みと弱点とは? 20代の若き感性が現地で驚き戸惑い怒り笑いながら綴る、等身大の比較文化論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字スキー
29
根拠はよく分からないものの、時折「日本人とドイツ人は似てる」という言説に触れる事はこれまで何度もあり、なんとなくそんなイメージがあるような無いような……と思ってたらちょうど良さげな本を目にしてタイトル買い。著者は平成生まれの自称フリーライター。大学在学中から日本で暮らすことにどことなく居心地の悪さを感じており、留学を機に始めた日独の違いを等身大で語るブログが好評で、このたび初めての著書刊行に至ったらしい。率直で実感のこもった語りが、日本を見つめ直すきっかけをいくつも与えてくれる。 2018/12/03
hk
22
「教育システムと雇用制度は地続きであるため、現下日本における雇用制度改革傾倒は片手落ちでは?」「日本のここが卓越していると日本人が悦に入るのではなく、日本の取り柄を外国人にアピールする工夫こそが大切」「日本は一番下に合わせる教育⇒実質的な教育現場が塾に移行⇒富裕層の高学歴化に拍車」「1か月というドイツ並みのバカンスが欲しければ、サービス品質の頽落を甘受しなければならない。至れり尽くせりのサービスにどっぷりつかった日本人には難題ではないか」…などなど初々しい筆致でドイツと日本の比較検討・提言を行っている。2018/12/24
めえめえ
12
人間性は全然違うという話です。ドイツ人はストレートに物を言うので、空気を察して言葉を話す日本人とは違うのですね。京都人定番のお断りの言葉「考えときます」は通じないでしょう。教育制度や家族観などの持論も多く割いていてドイツと日本の比較文化論といったところ。それにしても「全然人見知りをしない」という著者が羨ましい。2019/07/15
これっと
10
今ドイツに住んでいます。途中しんどかったですが、同い年のライターさんとだけあって共感できる部分が多かったです。新卒一括採用、労働環境諸制度、集団教育、これらに対する疑念は私たち世代特有のものなのでしょう。2019/07/17
ふらこ
8
日本人とドイツ人、それぞれほんちょっとだけ深く考えて。それから、比較してみましょうか、ってくらいの本。よその国の良いところ、そのまま、まるっと取り入れて、日本を良くしましょう。なんてのは、無理解が過ぎるので。その国の文化的背景、国民的思想も考慮しないと。ただ制度が変わって息苦しいだけなんだな、と思った。→2019/01/31