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内容説明
日本仏教の源流にある大乗仏教。しかし、その経典群は、ブッダ自身が説いたものではない。ブッダ入滅後、数百年後に作られたものなのだ。どうしてそのような文献が、権威を持ち、仏教史の中で大きな影響力を持ったのか。また、それらはどんな材料やどんな論理で制作されたのか。ブッダの思想やブッダの伝承とどのような関係があるのか。「仏伝」をキーワードに、仏教思想の一大転機を実証的に探りつつ、そのダイナミズムを明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nizimasu
4
仏教というのは何とも不可解というのか人によって解釈が随分違うなあという問題意識から手に取ってみてかなり疑問も氷解した。大乗というのは仏陀を超人的な人格としてとらえるのかあるいはサンガ(出家者集団)を率いていた人間としての捉え方の違いが大きいようだ。お布施を巡る金銭の授受を認めるか否かというのが根本分裂の大きな要因だったのだろう。他にもストゥーパを巡る遺骨が仏陀の本性なのか違うのかなんかの議論は仏像の誕生とも関連しているエピソードのようで興味深い。転生についての考えの違いも根本部分はこの辺がきっかけのようだ2015/11/09