筑摩選書<br> 中華帝国のジレンマ ──礼的思想と法的秩序

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筑摩選書
中華帝国のジレンマ ──礼的思想と法的秩序

  • 著者名:冨谷至【著】
  • 価格 ¥1,485(本体¥1,350)
  • 筑摩書房(2018/08発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480016355

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内容説明

いまや中国は世界有数の経済大国となったが、中国を相手にする企業・政府は、彼らの無法で無礼な振る舞いにたびたび困惑させられる。しかし、そもそもかの国は、孔子を筆頭とする礼の思想の発祥地であり、古くからローマ法に比肩するほど完成度の高い法を有する文明国のはずだ。現在との落差はどこから生じたのか。われわれは中国人の言動をどう理解すればよいのか。古代中国で生まれた「法」と「礼」の概念はいかに展開、交錯し、現在にいたったのか。その過程を追い、中華思想の根本原理を問い直す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

in medio tutissimus ibis.

1
古代で半分哲学の内容なので、脳内の辞書をガリガリ書き換えながら読む。労力に見合った面白さ。性悪説って人間は混沌属性だって意味、とか目から鱗。中国における「義」とは主観的遂行義務、倫理観の実践である、と言われると武侠小説が自分ルールにしか従わない面倒くさい奴ばっかなのもしゃーなしと思えてくる。中国法とは為政者の度量衡である点で士大夫のそれである典礼と両輪の関係にあり、共に権力機構の部品に過ぎないために、復讐殺人の様な極限状態ではどちらが上位であるか都度決める事になる。中華=帝国のジレンマの不在が問題を生む。2019/05/23

さとうしん

1
同内容の学術書とほぼ同時刊行というチャレンジングな試み。タイトルは内容と合ってないわけではないが、やはりタイトル詐欺の批判は免れないと思う。しかし書店の反中本の棚にしれっと置かれることを期待するならば、こういうのもアリかもしれない。中身は著者冨谷氏のこれまでの著書の集大成的な性格。中国の法の起源は果たして盟誓かという疑問、礼と法との交錯が読みどころ。2016/02/21

guanben

0
中国における「法」の成り立ちを儒教との関係から論ずる。ジレンマは言い過ぎだ。題名と内容の乖離が酷い。2017/02/01

はるかかなた

0
内容が悪いというわけではないが、タイトルや序論に書かれているような問題が解決したかと言われれば、はっきりしない。孔子に始まる中国の規範意識や律令の変遷、捉え方についてはわかりやすかったと思います。タイトルが微妙だな。2016/08/19

Ohe Hiroyuki

0
中国の古典(経書)に触れながら中国法制史を概説した上で、法とは何かを考えさせる一冊である。▼本書のハイライトは、最終章にある。男女の貞操や汚職等について中国の古典を概観しながら、これらのトピックがいかに扱われてきたのかを論じるというケーススタディが行われる。▼「礼」として位置づけられてきたものと「法」として位置づけられたものが互いに作用しあい、それぞれが変節していくという過程は大変面白い。▼我々が法律や政策を論じるときは、「法」なのか「礼」なのか、はたまた別のものかを自覚するためにも一読を薦めたい。2016/04/10

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