内容説明
明和製薬の村上社長に取り入りたい『草美堂』の高尾は、社長の側近である謡の師匠・倉田と、著書の代筆者・日下部に会うことで、社長の興味が肉筆浮世絵にあることを知る。だがそれは、とても高尾が入手できるものではなかった。だとしたら残された手段はひとつ。高尾は若い画家を利用することにしたが……。いくつもの謎が絡み、人間心理が縺れていくミステリー巨編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
40
スカみたい…正直な読後感。で、清張氏の渋い顔が頭をよぎりクスッ。これはサスペンス?ミステリ?誰も殺されず、悪事も暴かれず…当時はいざ知らず今日は「技官の不正、権威者の二枚舌、大手企業の倫理観欠如」は朝夕のお日様みたい。それより、よくもこのネタを引きずり読ませた力に敬服…読んだ私にも。吉本舞台よろしく、登場人物の表裏がこちら側に具に見えている所が面白さなのか。今の若い読者には受けないかな。とはいえ、長旅車中にはいいお供☆2015/11/04
Nozomi Masuko
14
雑草群落下巻。製薬会社の社長に取り入りたい主人公は、側近の人物への接近を図るがー。松本清張作品にしてはめずらしく、ほっこりな終わり方でよかったなー。展開としては少しややこしい気もしたが、最後うまくまとめてあって親子の絆も描かれててなかなかステキな作品。2016/04/21
crazy cool joe
10
殺人が起こらないのでミステリーとかサスペンスという感じはしない。大物に取り入ろうと奮闘する骨董屋が主人公だし、骨董というマニアックな世界だし松本清張でもかなり異端な作品だと思う。同性愛が出てくるし今の時代なら映像化もできそう。面白かった!2016/03/28
竹園和明
6
古美術品、骨董品の業界事情に肉薄した力作でした。上巻はクセのある人物を配しながらの状況設定。やや長すぎる導入部でしたが、下巻で物語が一気に加速。このスパート感はさすがです。骨董品という古くてマニアックな世界における、業者と業界関係者の癒着と駆け引き。そして彼らが蠢く中心にいる、顧客である大物会社経営者。実際、骨董品という高価で付加価値のある物の世界なだけに、そのドロドロした駆け引き・化かし合いの世界は実存するのでしょう。その孤高で希な業界の取材にかなりの時間と労力を費やしたと思われる、力作中の力作でした。2014/11/20
山男777
5
アベックという言葉が出てきて時代性を感じ面白いと思った。 殺しがでてくるかと期待したが、最後までなかった。 優しい文の羅列エログロが皆無心地よい余韻が残る本。 軽く読めるので旅先にもっていけばといいと思った。2015/10/12
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