内容説明
見ざる、聞かざる、言わざる――四番目の猿は死をもたらす。
連続殺人鬼<四猿>が突然の自殺。遺されたのは謎の日記。
邪悪で素晴らしいものを生みだす、才能ある作家。――ジェフリー・ディーヴァー
ここ数年読んだ中でも最高の始まり。その期待を裏切らない。――ジェイムズ・パタースン
J.D.バーカーはその独創性で、信じがたい悪役と予想を裏切る展開を作った。――ジャック・ケッチャム
シカゴを震撼させる連続殺人犯“四猿”。「見ざる、聞かざる、言わざる」になぞらえ被害者の身体の部位を家族に送りつけてから殺す手口で、長年捜査を進める刑事ポーターも未だその尻尾を掴めずにいた。だが事態は急変する――四猿と思しき男が車に轢かれ死んだのだ。しかも防犯カメラにより、ただの事故ではなく自殺と判明。所持品には四猿の日記が。日記を読み始めたポーターは、新たな歪んだゲームに呑まれていく……。大御所作家がこぞって絶賛する、スリラー界の新星登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
371
読んでる最中は面白い。結末は消化不良。かなり短いスパンで視点人物が切り替わり続けるので、飽きは全くない。展開も早く、特に犯人の日記の章は読ませる。対して、頁にだいぶ余裕がある段階で犯人の正体が発覚し、ディーヴァーが推すくらいだから一捻りあるのかと思いきや、まさかのそのまま。三猿のモチーフも実はあまり活かせておらず、4MKが警察にあてた手がかりも、わかりやすいようなわかりづらいような、何がしたかったのか微妙なとこに収束。良かった日記の章もすっきり纏めきらないまま。まぁここは次作があるらしいので、それ次第。2019/01/18
徒花
143
うーん、まあまあ。日光の三猿になぞらえて、社会的悪事に手を染めた人間の家族をターゲットに殺人を犯すシカゴのシリアルキラーをめぐる長編サイコサスペンス。『羊たちの沈黙』っぽい感じもあるけれど、その割には本編と交互に挟まれる犯人による日記パートによって犯人が意外と「普通の人」(むしろ犯人の家族が異常)であることが明らかになったりするのはいかがなもんかと。あと、異常度MAXの母親について最後に何も語られなかったりと、単書として消化不良感がある。だからといって続編が読みたくなるわけでもなく。2021/01/02
ケイ
143
一気読み。2転3転するだろうと予測できる展開の行き先は、予想を遥かに超えたものだった。見ざる(猿)、言わざる(猿)、聞かざる(猿)。そして四つ目は、悪をせざる(猿)。アイデアはいいけれど、それをする根拠に説得力が足りなく思えるのが残念なところ。それと、エモリーに感情移入出来なかったな。2019/01/08
nuit@積読消化中
125
四猿シリーズの第一弾。ウソかホントか4MKの幼少期の日記がすごい。こんな両親に育てられたら…。この一冊でじゅうぶん満足出来る、猟奇あり人間ドラマあり、狂い方もとてもバランスが良い(笑)!まだあと2作もあるなんてこれは読まねば。2021/04/11
のぶ
89
長い物語ながら、読み応えのあるサイコスリラーだった。舞台はシカゴ。四猿という被害者の身体の部位を家族に送りつけてから殺す連続殺人が発生していた。刑事ポーターは捜査を進めるも手掛かりが得られなかった。そんなある日、四猿と思しき男が車に轢かれ死んだのだ。状況から自殺と判明。持っていた所持品に日記があり、物語は捜査と、日記が交互に挿入される形式をとっている。日記の内容から四猿の行動と人物像が良く分かるし、捜査と絡ませる構成がユニークでなかなか面白かった。ポーターのキャラがやや薄かったのが難点。2018/11/20