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内容説明
時代劇・小説でつねに活躍する目明し。しかしその実態は、悪を捜査し制裁する正義の味方とは相当かけ離れたものだった。犯罪者が目明しになるという驚きの事実を克明に解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
10
著者は将棋等盤上遊戯や賭博に関する書を多数著し、特に法政大学出版局からのシリーズは有名。私も幾つか読んだし蔵している。本書は90近い高齢になって著した物で、慶賀至極である。内容は目明しや岡っ引きという社会の寄生虫の実態叙述というより、その社会背景としての天保改革についての記述が多い。この分野では嘗て中公新書から出た阿部善雄著「目明し金十郎の生涯」の方が地方のヤクザ者の史料ではあるが優れているように思う。時代劇は可笑しな場面ばかりで私は見ないが、著者はヒーローとして描かれる岡っ引きに我慢できなかったようだ。2021/01/21
フク
6
銭形平次に代表される時代劇や時代小説の岡っ引幻想を打ち砕くには十分な現実。でも、親分さんといやあ博奕くらいやってるイメージだったぞ2018/10/27
スプリント
5
ネタが集まらなかったのか、目明し以外のパートが長いです。2018/09/24
spike
4
常識と思っていることがいかにいい加減か、目明しならぬ目からウロコの一冊。私たちは当然銭形平次に始まる捕物もの小説ドラマ映画舞台で先入観が刷り込まれているし、なんとなく江戸時代のはじめからあった制度なんだろうくらいにしか考えてないはずだが、これは驚き。2018/10/07
長老みさわ/dutch
4
目明し=岡っ引きは「銭形平次」の様な正義の味方ではなかった・・・。豊富な文献から江戸の目明しの本質を探ろうとする本書。前半部は天保の改革以降、江戸の庶民に対してどのような規制が施され、どのような罪人があったかを探るもの。後半部において目明しも賭博・強請など様々に裁かれていることが判る。しかし、「罪状報告」の文献ばかりあたっているので当然「そんな罪人が多数いた」ことになるが、「そうじゃない者」もいたはずなんだがなぁ。そこへの視線がないのがちょっと不満。2018/10/03