内容説明
限られた未来を父は息子のかぎりないいのちにつなぐ――谷川俊太郎氏推薦 ガン(多発性骨髄腫)で余命宣告を受けた35歳の父が、2歳の息子に伝えたい大切なこと。 ●1.優しさについて、ぼくが息子に伝えたいこと ●2.孤独と友だちについて、息子に学んでほしいこと ●3.夢と仕事とお金について、息子に教えておきたいこと ●4.生と死について、いつか息子と話したいこと 写真家、元猟師の著者・幡野広志が、父として男として息子に伝えたい言葉は、多くの人の心に刺さる真実の言葉である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホッパー
92
すごく良かった。今まで幡野さんの人生相談本は読んでいたけれど、それは相談者である大人向けで、重く厳しい内容も多かった。この本は息子さんに想いを伝えるつもりで書かれているため、全編言葉が温かくとても優しい。一つ一つの言葉に嘘や無駄がなく納得する。また読み返したい本。幡野さんの本に辿り着いて良かった、と改めて感じた。2021/08/11
モルク
86
34歳で多発性骨髄腫を発症し余命3年と宣告されたカメラマンの幡野さんが息子さんに伝えたいことを綴る。2歳の息子への想い、精一杯の愛を感じる。綺麗事を綴っているわけではない。学校は理不尽を学ぶ場所であり、運動会の繰り返し行われる予行練習は運動会は親に見せるものという面があること、夢は○○になりたいという職業を語るのではなくその先にあるもの…といろいろと頷けるところがあった。息子さんが大きくなったとき本書、父の言葉をどのように受け止めるのか。その時照れ笑いしながら息子さんを見つめる幡野さんが隣にいるといいな。2020/04/09
ぶんこ
69
2歳の息子さんを持つ親としては、余命3年は辛い。言葉として子に残したい気持ちが強く伝わってくる。『やりたいことは、やれるうちにやっておいたほうがいい』。これこそ伝えたいことの1番目でしょう。やりたくてもやれなくなって初めて知る真実。18歳になったら、親から100万円を貰って世界放浪一人旅というのにも激しく共感。安いバイトで若さを無駄にして欲しくないという気持ちは、賛否両論でしょうが、余命3年の父としての気持ちとして素直に胸に迫りました。自分より圧倒的に弱い存在の子どもを守りたい親心に溢れていました。2021/01/06
えんちゃん
64
癌で余命宣告を受けたカメラマン幡野氏35歳。2歳の息子さんに残した言葉の数々。無駄な体裁を全て取り払い、自分の子供に本当に伝えたい事が語られている。胸に響く言葉がたくさんあるが、私とは価値観が違いもやもやする所もある。これはあくまでも幡野氏が息子さんに伝えたいことなので、深く考えないようにしよう。幡野氏にはずっと息子さんの側でカメラを構えていて欲しい。愛と優しさの溢れたお父さん。2020/06/23
アマニョッキ
55
1万円選書1冊目。ちょうどこの前BRUTUSの漫画特集で幡野さんが「マイブロークン・マリコ」を選ばれていたのを見て(他の漫画のセレクトも含めて)、なんて自分と趣味が合うのだろう!!と感激していたところにやってきてくれたこの作品。これだから本との出会いはやめられない。勝手に趣味が合うなんて浮かれていたけれど、幡野さんはわたしなんかとはくらべものにならないくらい、優しく強くかっこいい「親」でした。親をへこたれそうになったときにはこっそり取り出して、ちょっぴり泣きながら読み返したいと思います。2020/08/04