内容説明
女にとって、夫という男は、何ものなのか。「物事の始末が悪い」と言われ続けた著者が、この世の名残りに、散らかし放題に「始末」をつける。劇作家同士、雑巾を縫う夫と山を歩く妻……。見事に違う、個性鮮やかな夫婦の60余年を戯画化した、何ともおかしい自伝的連作集。女流文学賞・紫式部文学賞、W受賞作。
感想・レビュー
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yamakujira
5
「花の百名山」の著者が書いたこの小説は私小説らしく、著者の略歴さえしらないから事実と創作の境がわからない。心理描写まで自己投影してるならば、わがままで傲慢で勝気なめんどくさい女性だな。時代背景とか子供の病気とか気の毒な面はあるにせよ、お嬢様育ちをひきずったまま、家族や世間への不満や愚痴ばかり、しかも過剰に思えるほど攻撃的で疲れてしまう。でも、60年も連れ添ってるんだから、これも夫婦関係のひとつの形なのだろう。「骨の始末」「花の始末」「夫の始末」「夫の病気」と老境をえがく4編を収録。 (★★☆☆☆)2018/02/01
AR読書記録
3
まあほぼ私小説と思って読んだんだけど、まあ激しいおひとや。時代を考えたときに、その頃女性が男社会にわたりあって仕事をしていくためにはこのくらいの気骨がないと...ということもあるかと思ったけど、この頑固さ信念の強さは男性女性関係なく人生に波瀾を招かざるをえない個性な気がしてきた。主人公の行動・思考の描写はさておき時代背景に関する部分を興味深く読んだけど、男女の社会的地位の差の存在が前提であるところの女性教育は、力強いねぇ... 表面上男女平等が謳われてしまうと、とてもここまでできないよねぇ...2018/10/21
東森久利斗
1
「始末」、負のオーラをまとった暗い気持ちになる言葉、「処分」、「処理」が同意語だそうだ。人生の終焉が迫るなか、総決算の終活として己の人生を返りみたとき、負の遺産の多さに、冥府からの啓二のごとくタイトルへの採用と相成ったのだろうか。中編3作品総じての己の始末なのだろう。2017/11/03
あや
0
◎2009/04/28