開けられたパンドラの箱 ――やまゆり園障害者殺傷事件

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開けられたパンドラの箱 ――やまゆり園障害者殺傷事件

  • 著者名:月刊『創』編集部
  • 価格 ¥1,527(本体¥1,389)
  • 創出版(2018/08発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784904795538

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内容説明

2016年、19人の障害者を刺殺した衝撃的なやまゆり園事件から2年。植松聖被告の動機の解明もできず、事件を二度と起こさないための社会的対策も講じられないまま、事件は風化しつつあるように見えます。『創』編集部はこの間、植松被告に面会するなどして取材を行い、その内容も含めて、事件についてまとめた書籍を刊行しました。もちろん植松被告の発言をそのまま載せるのでなく、精神科医の分析や、事件の被害者家族の話など、いろいろな観点から事件を検証し、社会的議論を呼びかけたものです。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナミのママ

51
発売前にNHKにても取り上げられ話題になった本ですが『少年A』のような本人の手記ではありません。編集長が自ら長い取材をしたものを丁寧にまとめています。この事件は19人を殺傷して反省がみられないという植松被告の問題だけではなく、被害者が匿名報道された事、やまゆり園建て替えに関して全国障害者関連団体が反対して計画が見直された事、措置入院と精神科の問題、多くを含んでいます。著者は自分の考えを押し付けず、読んで考えて議論してほしいと書いています。マスコミのありかたも含め読んでみて良かったと思える本です。2018/07/24

南北

39
津久井やまゆり園障碍者殺傷事件から5年になる。本書では植松聖へのインタビューだけでなく、本人の描いた絵が掲載されているが、なぜ犯行に至ったのかが見えてこない。死刑判決が確定し、今後弁護士や家族しか接見できなくなるので、今後新たな情報が出てくる可能性は低くなる。意思疎通できないものは「心失者」であり、社会から排除すべきであるという考え方は一貫しており、同調者が今後出てこないとも限らない。単に拒絶しているだけでは原因分析できないし、対応策も見えてこない。死刑執行すればすべて終わるわけではないのだ。2021/08/12

うさうさ

23
植松被告や関係者に取材を重ね真面目に事件に取り組んだ印象。事件当初からこの事件にかなり関心を持っていた。植松被告の重度障害者に対する考え方やその周辺を聞くと、おかしな部分は多いのだけど何となく分かるような感じもした。それは多くの人間が持っている弱者切り捨て論だ。 強制不妊手術、生活保護叩き、子を産まない人は生産性ない発言… そして、植松被告が事件前に同僚に自分の考えを打ち明けたとき、法律でダメだからとは言うが、誰もその考え方は間違っていると言わなかった点からも何となくわかるかな。2019/01/06

gtn

23
彼がやまゆり園に勤務しなかったら、このような奇妙な思想に取りつかれることはなかったに違いない。彼はいろいろ理屈を並べて自己正当化しようとするが、その裏にあるのは「潔癖」という浅薄な性分である。自分はヒトラーではない、人種で差別しない、「心失者」を本人のために安楽死させてやるだけだと彼はいう。では、その線引きをするのは誰だ。生殺与奪の権を握っているのは、植松聖、お前か。2018/12/27

bayashi

21
全く報道されなくなり気になっていた。が、この本を読んで判ることは特になかった。やはり理解できる類の物ではないのか、書いたら出版に耐えないものになるのか。特に一章の内容は、後者になるのを無理やり避けてる印象を受けた。 事件当時は、積極的ではなく対象も異なるだろうが、植松と似たようなこと考える人はいると思ったので、これに続く人が出るのではと考えたがそんなことはなかった。本当に良かったですね。2019/01/20

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