角川新書<br> 日本型組織の病を考える

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角川新書
日本型組織の病を考える

  • 著者名:村木厚子【著者】
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • KADOKAWA(2018/08発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784040822662

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内容説明

公文書改竄、セクハラ、日大アメフト事件……繰り返す不祥事の本質とは? 冤罪のち厚生労働事務次官までを務めたからこそわかった「日本型組織の病」とは何か。硬直化を打破する「静かなる改革」までを語り尽くす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ🍀

107
育児休業制度が無かった頃の子育ての話、セクハラ、介護、福祉、自殺、生活困窮者対策と、今に繋がる厚生労働業務をされてきた、長き公務員人生の話は大変興味深かったです。その終盤で起こった事件。逮捕、冤罪、無罪!検察の問題、勾留期間の話、著者のお人柄、出会った方への感謝の心。 そして、本を読むことが好きなんですね。勾留中、差し入れられた150冊の本を読んだそうです。推理小説がお好きなようです。 退官後もご活躍されております。2020/11/07

なかしー

99
著者経歴:大卒後、キャリア組として厚生労働省に従事、2009年に大阪地検特捜部によって逮捕⇒1年3カ月後に無罪判決を受け、「復職」して、最終役職で官僚トップの厚生労働事務次官まで務めた仕事人。 内容:検察の不祥事で冤罪逮捕された自身の経験から「日本型組織の病」を考える。 感想:他のレビューでも多くありますが、8割がた村木氏の体験談を綴ったエッセイ本なので、新書によくあるタイトル詐欺感な所もある。 それが気にならなくなるほど、稀有な経験とそこからの活動には非常に刺激になった。2022/01/07

ハッシー

98
★★★☆☆ 検察による冤罪で逮捕され、その後、官僚トップを務めた著者が半生を振り返る。日本型組織の問題にも触れられているものの、それは一部であり、表題が少しミスリードな感じがする。著者が本書で明かす冤罪事件の経緯を読むと、歯止めの利かない検察組織に一般人が対抗するのはほぼ不可能と思えた。このような不祥事に対し、個人を責めるのではなく、組織として対策することを常に考えて行動されてきた著者には頭が下がる。2019/03/08

hatayan

91
冤罪で逮捕され、その後厚生労働省の事務次官に登り詰めた村木厚子氏の自叙伝。誤りを認めず証拠の改竄まで行う検察に近年の官僚の腐敗を重ね合わせます。 著者が強調するのは「静かな改革」。不本意なお茶くみを時間をかけてやめていったこと、地味で平凡でもコツコツと一生懸命働いていれば責任ある仕事を任されるようになっていたと説きます。 政策の意思決定に至る選択肢を国民や政治家に向けて示すことが公務員の仕事でありやりがい。著者は現在、貧困に陥る若者を支援するNPO法人を立ち上げ、良き市民になることを終生の目標とします。2020/04/20

kaoru

60
「検事が勝手にストーリーに合った調書を作って、そこからバーゲニングが始まるんだ」著者の弁護を担当した弘中弁護士のこの言葉がすべてを語る。証拠の改竄までして著者を陥れようとした検察に著者が対抗できたのは、家族の紐帯や父の教えもあるが、著者の強靭な精神力の賜物だろう。「日本型組織」の問題点を指摘しているが、同質性の高い男性中心の社会にはありがちの事だと思う。辛い体験を経て「若草プロジェクト」など社会的弱者に一層の援助の手を差し伸べる村木さんのしなやかな強さに打たれ、こうした官僚が増えて欲しいと心から思った。2020/08/16

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