講談社選書メチエ<br> 喧嘩両成敗の誕生

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講談社選書メチエ
喧嘩両成敗の誕生

  • 著者名:清水克行【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 講談社(2018/08発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062583534

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内容説明

中世、日本人はキレやすかった!大名から庶民まで刃傷沙汰は日常茶飯、人命は鴻毛のごとく軽かった。双方の言い分を足して二で割る「折中の法」、殺人者の身代わりに「死の代理人」を差しだす「解死人の制」、そして喧嘩両成敗法。荒ぶる中世が究極のトラブル解決法を生みだすまでのドラマ。

目次

第1章 室町人の面目
第2章 復讐の正当性
第3章 室町社会の個と集団
第4章 室町のオキテ――失脚者の末路をめぐる法慣習
第5章 喧嘩両成敗のルーツをさぐる――室町人の衡平感覚と相殺主義
第6章 復讐の衝動――もうひとつの紛争解決策
第7章 自力救済から裁判へ――喧嘩両成敗の行方

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

305
「中世、日本人はキレやすかった! 中世が生んだ究極のトラブル解決法」 裏表紙のキャッチフレーズに惹かれて読んでみた。 子供に笑われただけで、誇りを傷つけられたとキレて刃傷沙汰になったり、命が簡単に奪われる社会だった。喧嘩両成敗と言えば、「忠臣蔵」の江戸時代かと思ったら起源は室町・鎌倉時代より前からの、「日本的風土に根付いた伝統」だった。表情をあまり表に出さず「穏やかな」日本人、といったイメージがあったが、もともとは激情的で執念深いDNAが隠れていたのかもしれない。2024/10/20

アナーキー靴下

74
お気に入りの方の面白いとの評を見て読んだが、これは確かに面白すぎる。室町時代を中心に事件とその顛末を掘り下げ、当時の日本人の心性を考察しながら喧嘩両成敗の誕生までを丁寧に追う。著者の筆力には脱帽するばかりで、日本史大嫌いな私でも楽しく読めた。キレやすい日本人、は現代だとネットの掲示板を想像するとあまり変わっていないか、と思うし、喧嘩両成敗は「荒らしに反応する奴も荒らし」の言葉が通ずるかも、と思う。が、犯罪者でも「頼む」と言われたら匿う、は理解不能で、別種の動物行動学でも読んでいるような気になってしまった。2023/04/20

HANA

71
滅茶苦茶面白い。戦国大名の式目の中に現れる喧嘩両成敗という法。この法が何故登場したのかという事を、中世人の心性、社会規範からそれが成立するまでの必然性まで順を追って書き下ろされているので、自分みたいな門外漢にもわかりやすいし。何より喧嘩両成敗という法が戦国大名の強権を表すものではなく法に依存させるべくする妥協の結果だったり、中人制や解死人制といった独特の制度、室町幕府の法制度に対する苦闘等読んでいて非常にスリリング。それにしても悪口から殺し合いに発展したり、落武者狩り推奨等、中世人血の気多すぎるだろ…。2023/01/21

キク

65
「喧嘩におよぶ輩、理非を論ぜず、両方共に死罪に行うべきなり」「自害の事、題目を申し置き死に候はば、遺言の敵、成敗を加ふべきなり(自殺した人が遺言で誰のせいか書き残したら、そいつを死刑にする)」論理性のない喧嘩両成敗は、日本独自の文化とのこと。その成り立ちは「クスっと笑われただけで、通りすがりのよく知らない人を斬り殺す」「人を殺しておいて、殺した道理をあーだこーだ訴えて正当性を主張する」というキレやすく陰湿な室町の人々の気質かららしい。ん、、、?じゃあ、その筋の人々はマジで伝統的日本文化を正統に担ってんだな2023/05/06

こばまり

56
治安立法の過程で採用されてきた本法の本意は今日我々が抱く印象とは異なる。痛み分けや過失相殺を「なんとなく公平に思う」感覚それ自体が日本人特有のものであることや、中世の日本人が如何にキレやすかったかを示す事例に触れ、面白くて頭がクラクラした。2021/01/11

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