新潮文庫<br> あぶない叔父さん(新潮文庫)

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新潮文庫
あぶない叔父さん(新潮文庫)

  • 著者名:麻耶雄嵩【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(2018/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101212814

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内容説明

寺の離れで「なんでも屋」を営む俺の叔父さん。家族には疎まれているが、高校生の俺は、そんな叔父さんが大好きだった。鬱々とした霧に覆われた町で、次々と発生する奇妙な殺人。事件の謎を持ちかけると、優しい叔父さんは、鮮やかな推理で真相を解き明かしてくれる――。精緻な論理と伏線の裏に秘された、あまりにも予想外な「犯人」に驚愕する。ミステリ史上に妖しく光り輝く圧倒的傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナルピーチ

132
なるほど!たしかにこの人は『あぶない叔父さん』です。ブラックユーモアに溢れた6作品を収録した短編小説。なんでも屋を営むとても“温厚”で“優しい”叔父さんの依頼先で次々と発生する不穏な事件。語り手の役割りを担う高校生の甥と最後に事件の真相について話すシーンがあるのだが…そこから一気に事件の解釈の仕方が変わってしまう。この叔父さん何やってくれてんだ!?思わずツッコミを入れたくなるような展開とそんな叔父さんに心酔している甥のヤバさが際立つ一冊。麻耶先生らしいといえばそれまで!ちょっと不思議な読後感を楽しめた。2024/03/13

ままこ

88
霧が多い閉塞感のある寂れた町。そこで起こった不審な数々の事件を優斗が慕っている「べんり屋」の叔父さんが真相を解明するのだが…。ええっ⁉︎それって…(苦笑)モヤモヤ青春テイストと妖しさがパラっとまぶされた、どこか観点がズレたミステリ。2020/07/18

森オサム

88
麻耶節全開の凄い短編集。麻耶氏がいかに不思議な作風か知るには良い作品かも。タイトル通りあくまで「あぶない叔父さん」であり、「叔父さんは名探偵」では有りません。それは一話目を読めばすぐ分かりますが、主人公のずれた倫理観は静かな狂気を滲ませ、各話最後の叔父さんとの会話は恐怖を感じるほど。また、主人公が高校生なので、恋愛模様が込められた青春ミステリーでも有ります。ブラックユーモアだと割り切れたんで、結構面白く読めました。ただ、様式美とも言えるワンパターンなので、シリーズの大オチで無ければ続編は要らないかなぁ。2018/10/14

まりも

71
これは鬱々とした霧に覆われた町で起きる奇妙な殺人事件の謎を、寺の離れでなんでも屋を営む叔父さんが解決するミステリー。なにこれ、一体なんなのこれ。普通のミステリーと思ってこの作品を読み始めてはいけない。読後は気持ち悪くて胸にモヤモヤが残る。この叔父さん確かに危ない、だけど優斗も十分に危ない。叔父さんは優しいで全てを済ましてしまう異常さ、殺人事件が起きているのに会話はほのぼのとしている異常さ。一体全体自分は何を読んでいたのだろう。そう思わずにはいられないけど、何故か読んでしまう。麻耶作品は本当クセがすごいな。2018/04/14

HANA

68
霧に包まれた町で起きる様々な事件。高校生の「僕」は、離れに住む叔父さんにそれらの事件を語るのだが…。和服姿にもじゃもじゃの蓬髪とどこかの名探偵を思わせる叔父さんが事件の真相を語るのだけど、一つの話を除いてそれにはある事が共通している。それについて最初は笑いがこみ上げてくるんだけど、だんだんと重なっていくうちに怖くなってくるのがなんとも。黒い笑いってこういう事なのかなあ。叔父さんの善良な気弱そうな様子と、事件後の二人の和気藹々とした様子がそれに輪をかけて怖くて。何とも居心地が悪くなってくる一冊でありました。2018/03/19

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