内容説明
原因不明の難病で入院中、三度も死にかけた私。さらに薬の副作用で人格まで変容し、自分を見失ってしまう。やがて仕事もなくし、鬱状態に陥り、ついに自殺未遂を起こすまでに……。激動の渦中に文章をつづり、当時の自分を客観的な目で振り返って考えた、「生」とは、「言葉」とは、そして「私」とは。極限体験に際した人間の脆さを凝視し、思いがけない強さを発見する、特異で壮絶な魂の手記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつこんぐ
29
『愛という病』を読んで心肺停止のことに触れていたので気になって購入。不幸な自分に酔って、悪い方にテンションが上がってるかなという印象。美保純さんを名指しで攻撃しているとこが1番面白かったと思う私も性格が悪いですね。なんだかんだ言って頭が良いから色々考えるのでしょうか。自分からこんなに傷つきにいかなくてもいいのにと思いながらもついつい読んでしまう。でも、自分の娘がこんなだと困るなぁ。2018/10/28
reading
17
壮絶な話だった。ところどころ哲学的な内容になっていて、筆者の聡明さを感じた。言動が誤解されている部分があり、他者との付き合い方の難しさが伝わってくる。彼女の考えには共感できるところがあり、非常に興味深く読むことができた。2018/07/03
JKD
17
精神不安定な状況下で書き綴ったハイテンションの自己表現が痛烈。自分の発する言葉を定義付けるためにあらゆる理屈を並べ立てて自己主張する姿勢が印象的でした。それもこれも臨死体験を経験したからこその表現力なのでしょう。2018/03/24
ぶり
8
「あのまま死んでいればよかった」と始まるエッセイは、原因不明の病で死にかけ、体が不自由になり仕事も失った著者の、不安や絶望が赤裸々に語られていました。 単行本のあとがきと文庫本のあとがきで時間が経過するとともに、かつてのユーモアと生命力あふれる著者が戻ってきてるようでとても嬉しく感じました。2019/07/26
ずぅ
7
原因不明の難病で三度死にかけたわたし。極限状態で書いた本が、この本。 書く文章にこんなに魂を込めた作家さんいないんじゃないかと思うくらい、文章に重厚さと緊張感があった。ほかの著書よりももっと、重みがある。おちゃらけた部分は少しも感じなかった。242頁、すべて全力投球。全力投球すぎて這いつくばっているような、荒い息づかいまでもが聞こえてくるような本でした。2019/01/07