内容説明
なぜ日本は大陸に進出したのか? アメリカと戦争を始めたのはなぜか? そして、どうして早期和平に踏み出さなかったのか?
*昭和の戦争を大局的に捉え、一気によんでスッキリ理解できる。*歴史の流れが頭に入りやすいよう、主な出来事、戦闘ごとに区切った記述をし、それが前の事件からどう?がり、次の事件にどう結びついてゆくのかを明確化……因果関係が解りやすい。*日本側の動きだけを記さない。外国との相関関係を見えやすくし、当事国それぞれの内在的論理を浮かび上がらせた。*「外交」と「軍事」の双方で、努めて戦略的な観点から分析~ひとつひとつの行動を戦略目標の視点から見ると、歴史が意味を持って浮かび上がってくる。*今の時点から歴史を評価せず、当時の指導者の判断を嘲笑するような書き方は避ける~歴史を考えるときには、当事者になる想像力が必要。*特定の歴史観に縛られない。
※本書は平成二七(二〇一五)年八月にKKベストセラーズより発行された『一気に読める「戦争」の昭和史』を新書化したものの電子書籍版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鯖
19
イデオロギーを排して先の大戦について列挙していく本。「GHQはソ連工作員のすくつだったため、戦後日本は著しく赤化した」イデオロギーとは。分かってて読んだのでまあいいんですけど、著者の主張は飛ばし読みして流れをつかむのにはよい。「国力不相応の戦いには身を任せない強さを持つことが必要」それはそう。「日本は国や人を根絶やしに叩きのめすというアメリカのような戦争観を持つことができなかったため負けた」国力不相応だったって自分でゆってたじゃないですかヤダー。人の醜さは国や民族に起因するものではないと最近特に強く思う。2023/12/10
tnyak
8
満洲事変から終戦までを、当時の世界情勢と絡めながら分かりやすく解説した良書。日本の立ち位置や戦略方針はどうだったか、と歴史に問いかけながら綴られた、たいへん優れた昭和戦争記述書です。第五章の関行男隊長の遺書、涙しながら何度も何度も読み返しました。2018/08/20
ヴァン
7
満州事変から、日中戦争を経て、日米戦争、敗戦までをたどる。満州事変を調査したリットン調査団は、日本に好意的な解釈もしている。真珠湾奇襲の作戦完遂の段階で日米交渉に持っていくべき分岐点があったのかもしれない。本書は全体的にあっさり書いているので、詳述した他の類書を読むと戦争の時代の輪郭が鮮明になる。2019/07/16
新父帰る
7
一気にではないが、読み応えのある書だった。著者はまえがきにも記しているように、特定の歴史観に縛られないように書くこと。日米戦争を「無謀で愚かな戦争」と断定しないこと等を信条に筆を進める。よって本書の歴史観は、著者の言葉を借りれば、歴史の各時点で立ち止まり、その時点での日本の立ち位置や戦略方針はどうであったか、それをどう定めるべきでだったかという、歴史と対話しながらの戦略的な思考実験を試みたと。小生の読書暦から照らして、このような昭和戦争史を読むのは初めてだ。初めて読んだ本として、この本に出会えて良かった。2018/08/15
notti0929
5
大東亜戦争を変に美化することもなく、また一方で自虐史観に囚われることもない、非常にバランスの取れた歴史書。当時の日本の政治 ・軍事指導者にもう少し中長期的なビジョンを描ける人材がいれば、、、。2019/04/12