「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。

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「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。

  • 著者名:小川たまか
  • 価格 ¥1,408(本体¥1,280)
  • タバブックス(2018/08発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784907053260

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内容説明

性暴力被害、痴漢犯罪、年齢差別、ジェンダー格差、女性蔑視CM、#metoo...多くの人がフタをする問題を取材し、発信し、声をあげ続けるライター・小川たまか初の著書。2016年から2018年に起きた、性犯罪やそれにまつわる世論、性犯罪刑法改正、ジェンダー炎上案件などを取り上げ、発信してきた記録です。

目次

プロローグ バザーとiPad越しのお祈り

2016年
手を伸ばさなかった話(1)
手を伸ばさなかった話(2)
大海は近いか遠いのか
加害者が語ること
年齢の話
手伝ってくださいと言われて良かったと思った話
炎上ばかりの現代で覚えておきたい歴史
No means No 私の体は私のもの
もう一つの「死にたい」検索結果の話
外見をほめられたら必死で否定しなければいけないあの雰囲気について
警察行く行かないの話&行っても意味ないのかとかの話

2017年
死と型
子どもにとっての強者
取材と暴力
生まれてから12年間だけ情状酌量
フィクションと実相
手を伸ばさなかった話(3)
半分だけわかる、でもいいと思う
男女平等の話
女の人の体が好き
2018年
美人とセクハラ
透明な痴漢常習者
前に進む

おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nyaoko

85
新聞の紹介で気になっていて図書館からお取り寄せ。「ほとんどないことにされている側」とは、性被害者になった女性側の事を示している。表向きは男女平等かもしれないけど、まだまだ深い所では男尊女卑の考え方が根強く残っている。聴き逃してしまいがちなアイドルの歌や姿、広告、ワイドショー人気の芸能人ゴシップについて、「これって、おかしいよね」と自然に発信できる著者の文章にハッとさせられた。こういう本は若い子よりも、オジサンオバサンが読むべきだなぁ。2019/10/05

夜長月🌙@5/19文学フリマQ38

77
ここで言う「ほとんどないことにされている」のは例えば男尊女卑による性差別者です。日本では多くの性暴力が泣き寝入りで無いものとされています。著者は性暴力被害者の会の代表をしています。性格差の国際比較では日本は2015年の145ヶ国中101位から年々、111位、114位と下がり続けています。でも日本は先進国でかなり男女平等になっていると思っている人が多いのではないでしょうか。この状態を著者は男女平等の薄いフィルムに包まれているだけの日本と呼びます。その実態は痴漢、強姦の起訴率の低さからも明らかです。2020/03/01

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

73
これも読んで良かった一冊。世の中はまだまだ男中心で、女性たちが厭な思いや悲しい思い、いや、思いどころか一生癒えない暴力を受ける事がある。そんな事実や世の中を、生の声、生きた言葉で書いてある本だ。男にはフェミニズム教育が必要だと思う。私は独身男だから、DV等をする機縁が無いだけなのだが、自分は女性を差別しない良い人間だとうっすら思う図々しさがある。もしも妻がいたら、自分がどんな悪感情を発動するかわかったものではない…という事に気付かされた。男尊女卑は対岸の火事ではない。もっと勉強しようと思った。良書、推薦。2020/12/10

アマニョッキ

65
「ほとんどないことにされている側」というのは、日本の性暴力や性差別のこと。わたしもこれまで興味がなかったわけではないが、今回この著書を読んで衝撃を受けたことが沢山。「痴漢」や「レイプ」をネット検索すると、日本では一番にアダルトコンテンツが上がってくるそう。今の若い学生さんの中には「痴漢」も「レイプ」も合意の上の行為だと思っている人もいるとか。「合意」という言葉の恐ろしさ。まだまだ書ききれないことが沢山あるので、少しでも興味があれば読んでみてほしい。あまねく日本人必読の書だと思う。2020/07/12

とよぽん

60
読み進めるにしたがって、何とも言えない苦しさを感じた。女性に対するこの国の認知や感性は、想像以上に情けない恐ろしいものだと思った。痴漢や強姦などの性暴力・・・起訴ではなく被害届や相談件数さえも、実際の被害件数のごく一部であること。示談に持って行こうとする弁護士の「人権意識」を、私は疑う。弁護士って、弱者の味方じゃないのか?とにかく、この本を読んでよかった。小川たまかさんには、今後もさらに鋭い発信を期待する。2020/09/17

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