法のデザイン

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法のデザイン

  • 著者名:水野祐【著】
  • 価格 ¥2,037(本体¥1,852)
  • フィルムアート社(2018/08発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784845916054

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内容説明

インターネット・カルチャーと法が交錯するなかで、今何が起きているのか?
よりよい社会や文化をいかに設計していけるのか?(そして、本当によい社会、豊かな社会とは果たして何なのか?)

本書では、アフターインターネット時代における、法をとりまく環境を考察し、国家が一方的に定めるルールに従うのではなく、自発的にルールメイキングしていくための、「法」×「デザイン思考」=「リーガルデザイン」という新しい考え方を提唱する。

法律や契約などの法は、私たちの自由を規制し、創造性やイノベーションを阻害する、と思いがちだが、果たして本当に法の役割は規制のみだろうか。逆に、創造性やイノベーションを加速するための「潤滑油」のように法を捉え、そのような視点で上手に設計することはできるのではないか。

著者は以下のように説明する。
「大切なことは、ルールは時代とともに変わっていく/変わっていくべきという認識と、ルールを「超えて」いくというマインドである。ルールを超えていくことは、ルールを破ることを意味しない。ルールがどうあるべきかということを主体的に考えて、ルールに関わり続けていくことを意味する。ルールを最大限自分寄りに活かすことは知性の証明に他ならない。」

音楽、出版、アート、写真、ゲーム、ファッション、二次創作から、不動産、金融、家族、政治まで。
本書は、クリエイターの“自由”を守り、表現を加速させる気鋭の弁護士が、インターネット・カルチャーと法が交錯する中で見る現代の社会と文化の風景を素描する、法律を媒介とした社会設計論であり文化論である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nekozuki

14
ぜひベンチャーなんかで新しいことをやっている人に読んでほしい。しばしばベンチャー界隈では、「グレーなら突っ込む」というルール軽視の考え方がみられる。ルールは一定の合理性の元に作られてるので、不明瞭だから守らなくていいというスタンスはそもそも間違い。本書で論じられているように自分たちのイノベーションを加速するようなルール設計への働きかけをしていくのが本来的な姿だと思う。2017/09/16

izw

12
一年ほど積読していたが、本日(5/19)の土曜会で、著者の水野祐氏の話を聞く機会があるので、その前に読んでおこうと今週初めから読み始めた。法は規制するためにあると思われがちであるが、創造性やイノベーションを促進するために利用できるという考え方は新鮮である。ルールを固定せず、社会・技術の進化に合わせて法を進化させていくというリーガルデザインの思想は、今後の社会の発展のためには必須の考え方であろう。第二部の13分野に対する考察は、馴染みのある現象・動向を取り上げているが、視点が変わっているので興味深く読める。2018/05/18

msykst

9
リーガルデザインというコンセプトについて。法を規制や創造の阻害要因と捉えるのでは無く、寧ろイノベーションを加速するための適切な環境設計と捉えるべきだし、(大陸法的と言われる日本においても)実は今までもそうやったんやでと。加えて既存の法体系が状況とミスマッチを起こしがちな状況においては、現状追認的な法整備ではなく(「法の遅れ」と言うらしい)、「余白」を意図的に作っとくのが有効やと。で、ITやネット云々に典型的な様に、既存の法では対応できない様なグレーゾーンが広がってる今は色々できる好機やと。 2017/03/04

Moloko

5
法のデザインということで、法律はただ遵守するものというだけでなく、契約や解釈の読み替えや立法過程等でもって積極的に創造できるものだという主張であり、著者が関わっているクリエイターやデザイン・芸術関連分野の話題を通して現在の潮流がどのようになっていて、今の法制度とどう不整合が起き、そこではどんな法の在り方が求められるかを考察したもので、知的財産法や金融や建築などでの各種法規制を問い直す意味で面白かった。デザイン思考の部分については理解や観察を通して法を創造していくのは分かるが、今の政策過程とどう違うか不透明2017/11/05

センケイ (線形)

4
著書内で繰り返し強調されているように、この本の見どころは何といっても法の創造的な側面だ。事前に余白を用意しておくなり、事後的に人々の関心を集約するなり、いずれにせよ今人がまさに動き出している所に、法の貢献の可能性が見られる。あるいはインターネット上の現象や、そこから逆輸入された物理的な創作に対しては、アーキテクチャーのほうが効く面もあるかもしれない。それと法との協調関係についても多岐に渡り紹介がある。それにしても、これほど広い関心を持って著書を書かれている点には感服させられ、背中を押される気持ちになる。2018/11/30

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