内容説明
日本初の鉄道は、なぜ海の上を走ったのか?
明治5(1872)年10月14日(旧暦9月12日)、日本初の蒸気機関車が新橋を出発する。3号車に明治天皇、4号車には鉄道事業を牽引した大隈重信と反対派の西郷隆盛が隣り合わせていた。明治政府の「夢」と「思惑」を乗せた列車は、品川沖の“海上”を走り抜ける──。知られざる鉄道開業の経緯をQ&Aで紐解き、「明治150年」の原点にせまる。
【内容】
第1章 黒船が運んできた鉄道への「憧れ」
第2章 莫大な建設資金をめぐる「駆け引き」
第3章 明治の大事業を支えた「技術者」たち
第4章 明治政府が「すべて」を注ぎ込んだ鉄道開業式
第5章 鉄道が変えた日本人の「意識」
第6章 50年後の「東京駅」へ、100年後の「新幹線」へ
目次
第1章 黒船が運んできた鉄道への「憧れ」
日本人で初めて鉄道に乗ったのは誰だったのか?
江戸時代の日本に鉄道を伝えたのはどこの国だったのか?
江戸時代に、日本製の蒸気車が存在していた?
大隈重信と伊藤博文は、なぜ鉄道にこだわったのか?
西郷隆盛と大久保利通は、なぜ鉄道開業に反対したのか?
留学経験者や使節団員たちは、鉄道をどのように日本に紹介したのか?
当時の日本人は、まだ見ぬ鉄道をどんなふうに想像していたか?
[コラム01] 西南戦争が、鉄道の有用性を軍部に気づかせた
第2章 莫大な建設資金をめぐる「駆け引き」
欧米列強は、なぜ日本に鉄道を敷くことに夢中になったのか?
幕府が米国人ポートマンに与えた鉄道免許を、明治政府はなぜ取り消したのか?
なぜイギリスが日本の鉄道建設の主導権を握ったのか?
明治政府は、莫大な鉄道建設資金をどのようにして集めたのか?
日本の鉄道に、なぜ世界標準よりも狭い軌間が導入されたのか?
[コラム02] 本州はイギリス、北海道はアメリカ、九州はドイツ……そして日本式へ
第3章 明治の大事業を支えた「技術者」たち
「鉄道の父=井上勝」とは、どんな人物だったのか?
日本初の鉄道は、なぜ新橋~横浜間で開業したのか?
日本初の鉄道は、なぜ海上を走ったのか?
実際に鉄道開業の仕事を担ったのは誰だったのか?
初代建築師長エドモンド・モレルは、なぜ「日本の鉄道の恩人」なのか?
横浜の大実業家・高島嘉右衛門はいかにして「高島町」をつくったか?
江戸の土木業者や技術者たちは明治の大事業にどのように関わったのか?
鉄道の発展を支えた日本人技師たちはどのように育てられたのか?
日本初の鉄道には、国産の資材は使われていたのか?
[コラム03] 各国の「軌間」と、大隈重信や井上勝を大後悔させた日本の「狭軌」
第4章 明治政府が「すべて」を注ぎ込んだ鉄道開業式
鉄道開業式の式典はどのようにして開催されたのか?
初めて日本を走ったのはどんな車両だったのか?
最初の鉄道起点駅「新橋」と「横浜」は開業当時どんな駅だったのか?
開業式前に汽車が走っていた……って本当?
[コラム04] 初めての日の丸旗、イルミネーション……開業式とその後のこぼれ話
第5章 鉄道が変えた日本人の「意識」
鉄道開業は、国内外の新聞でどのように報道されたのか?
「駅」という名称はいつごろ日本に定着したのか?
不定時法から定時法へ、日本人の時間感覚を鉄道が変えた?
開業直後の時刻表や運賃はどんなものだった?
[コラム05] 鉄道と併行して進化した「通信」と「電気」
第6章 50年後の「東京駅」へ、100年後の「新幹線」へ
東京と関西を結ぶ最初の幹線はなぜ東海道ルートだったのか?
ほか
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