内容説明
越境する「キャラ」論──。日本語研究の最前線をゆく執筆陣による「キャラ」と「日本語」をめぐる論文集。「さまざまな「キャラ」」「物語世界のキャラ論」「現実世界のキャラ論」「キャラ論の応用」の4章、縦横無尽に論じる11篇。
目次
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
センケイ (線形)
7
登場人物についての本か、現実についての本かというと、嬉しいことに両方なのだ。言葉の端々から想像させるその人物像や、ときにそれを使いこなす必要性が出てくる社会の動向(特に、最近では顕著に使い分けも必要になってきている)に、まずは心を掴まれる。そのさまがステレオタイプ的なイメージを再生産しないかという議論の延長線上に日本語教育の議論も重なり、社会問題の観点からも興味がわく。さらに一方で、「平安貴族」キャラや神崎蘭子といった個性の出る言葉の使いまわしに学問として真摯に向かうさまに、大変心をくすぐられる。2019/07/21