光文社文庫<br> セント・メリーのリボン 新装版

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光文社文庫
セント・メリーのリボン 新装版

  • 著者名:稲見一良
  • 価格 ¥440(本体¥400)
  • 光文社(2018/07発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334776725

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内容説明

失踪した猟犬探しを生業とする探偵・竜門卓の事務所に、盲導犬の行方を突き止めてほしいという仕事が舞い込んだ。依頼者は資産家の令嬢。相棒の猟犬ジョーとともに調査を進めるうちに、薄幸な、ひとりの目の不自由な少女のもとに行きつくが……。胸を打つラストシーンが待つ表題作を始め、限りなく優しく誇り高い男たちの人間模様を描き出す永遠の感動作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

100
5篇収録。好みの短編集だった。特に表題作のラストは、武骨な男が見せる飾り気のない優しさが描かれていて心地良い読後感がもたらされた。クリスマスの夜、リボンを思い浮かべて思わずふふっとなってしまう。あとがきによるとこれは"男の贈りもの"を主題とした作品集らしい。贈るという行為に慣れていない男はどこか照れくささを持つ。ちょっと格好つけて贈る姿。言葉ではなく行動で示す姿。不器用かもしれないけどいいなと思う。「花見川〜」のポォさんの素朴なセリフがクセになる。主人公も読み手も彼女から失っていた気持ちを贈られたのかも。2019/12/19

三代目けんこと

31
表題作に登場する探偵・竜門卓のカッコよさと優しさに、男である自分も惚れてまう。そのラストシーンは、稲見一良氏から読者への贈りもの。たしかに受け取りました…。2020/02/10

007 kazu

28
男の贈り物をテーマにした5つの短編。ザ・ハードボイルド。どの話も異なる妙味がある。主役だけではなく脇役、そして犬までも実に魅力的に描かれており、老若男女問わず勧めたくなる。「たき火」殺し屋に追われる者がある小屋にかくまわれる。追われている理由も護れなかった大事な女性との関係も描かれず、中編小説の一部を切り取ったかのようで想像力を掻き立てられる。「花見川の要塞」カメラマンが川沿いのトーチカに行くとそこは戦時で汽車を守るために奮闘する少年と老婆が。現在と過去が併存するその不思議な体験を語る。(続く)★4.5 2019/03/17

緋莢

20
谷口ジローの漫画(『猟犬探偵』に収録)をきっかけに、原作を読みたくなり、手に取りました。表題作含め5編が収録されています。表題作は、猟犬探しを生業にする竜門卓が、いなくなった盲導犬を探して欲しいと依頼される話。暴力、酒、女、それぞれ出てきますが、決して過剰ではなく 話自体も、劇的な展開はありません。でも、しっかりハードボイルドですし、読後感もとても良いです。マンガもそうでしたが、ラストがとても微笑ましいです(続く 2023/06/12

tosca

19
5篇の短編集。全てに共通するのは自然や動物へのリスペクト。ハードボイルドなのだろうが、無駄な死やお色気は一切無く、ひたすら男達が無口で優しくて格好良い。全作どれも良かったが、表題作「セントメリーのリボン」は行方不明の猟犬探しというレアな仕事を生業とする男が、専門外である盲導犬の捜索を引き受ける事となる話で、何とも素敵なラストだ。この著者の作品は、魂が浄化される。ここぞという泣かせ場面でも、涙を誘うために無闇に人物を死なせないところがまた著者の心の気高さを感じてしまう。乾いた優しさが心に沁みる2019/09/14

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