内容説明
えじきしょん――町中だろうと家の中だろうと、扉があれば中から現れ、呼び出した人間を溶かしにやってくる、ガスマスク姿の不気味な存在。ひたひたと迫ってくる理不尽な恐怖にあなたは耐えられるか!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あも
83
まずレビューを読み始める前に『えじきしょん』をお手持ちのスマホで音声検索して欲しい。よろしいですか?○○の検索結果は○件です。じゃなくて、えじきしょんを呼び出しました。って言われた人…お疲れ様です。あなたのおかげで時間の余裕が出来ました。ありがとう!瀬戸内の猫島に旅行した元バイト仲間グループ。島に伝わるえじきしょんの伝承。知らずそれを呼び、次々に消される人々。ぶっちゃけそこまで面白くなくて暇つぶしにはえーわって程度だが、デビュー以来、このザ・ホラー!ザ・都市伝説な路線を貫く作者が好き。怖い怖くなぴったん。2018/08/12
HANA
64
岡山の孤島に旅行した若者が、読んではいけない物を呼び出してしまう。ガスマスクで人を溶かす化け物と硫酸かけかけマンというネーミングのアンバランスはいいと思うのだが、いかんせん化け物弱すぎ。すぐに倒せるのは数と呪的逃走譚に付き物のしつこさでカバーしているものの、やはりこういうのは逃れ難い強さを誇ってほしいものである。あと第三者が被害者から話を聞くという枠物語になっているのだが、その分逆にラストが読みやすいという弱点も持ってるなあ。後読後、怪物の方が自分よりスマホ使いこなしているという事実に愕然とさせられます。2020/07/17
坂城 弥生
50
本当に怖いのは人間かも。と思った。 あと関係ないけど「えじきしょん」が「えきしびじょん」に見えてしょうがない。2021/03/05
のりすけ
34
ずっと「えきじしょん」だと思ってました「えじきしょん」か。告白と、それを聞く人…という構成。バカネーミングと恐怖感のない姿形の化物なのに、やってることはエグい。そしてなにより、逃れるために取る方法がエグい。惜しむらくは、幅広い年齢層に向けた作風じゃなく若者限定のような作品の作りってとこかな。サクッと読めるホラーなので、ぜひもっと作品を書いていただきたいのですが。2019/05/04
みや
30
ガスマスク姿で人を溶かす怪物に仲間たちが次々と襲われるホラー。今回も期待を裏切らない最高のB級設定とB級展開にずっとニヤニヤが止まらない。この軽いノリとポップなグロが大好き。毎作ごとに絶妙なワードセンスを発揮される作家さんなので今回も楽しみにしていたら、タイトルの「えじきしょん」ではなく、まさかの「硫酸かけかけマン」だった。ダサすぎる!(誉め言葉)。硫酸かけかけマンの神出鬼没すぎる登場や行動は滑稽で、絵面を想像すればするほどに笑ってしまう。怪異だけでなく、人間の狂気も描かれていて大変楽しかった。ぴったん。2020/08/13