内容説明
<100点以上のフルカラーイラストを掲載>
海の生命の物語は陸上よりも奥深くダイナミックだ!
サメの仲間は陸上で恐竜が誕生するずっと前から海洋世界に君臨し、恐竜絶滅後も生き残ってきました。
8割以上の生物が死に絶えた2億5000万年前、史上最悪の大量絶滅事件。
そして恐竜を滅ぼした6600万年前の小惑星衝突。
なぜサメたちは幾度の危機を乗り越え、
4億年以上にわたり“帝国”を築き上げることができたのでしょうか?
本書は海洋生命をめぐる興亡史を徹底的に解説します。
【目次】
◎第1章 壮大なる“序章”
「アノマロカリス」から「ウミサソリ」へ
◎第2章 剛と軟。主導権を握るのは?
「甲冑魚」vs「初期のサメ」
◎第3章 最強と最恐。海洋覇権をめぐる決戦
「サメ類の絶対王者」vs「モササウルス類」
◎第4章 新勢力は“海の王”となるか
「クジラ」vs「メガロドン」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
honyomuhito
61
魚たちの祖先はもともと生態系の弱者だったが、顎を獲得したことで強者に躍り出る。その身体もどんどん大きくなりダンクルオステウスとはは8~10mくらいの大きさだったかもしれないとか。なんだかトカゲみたいな顔と口の魚とか、20mくらいあったクジラの仲間とか、歯が35cmあるリヴィアタンて怪物の名前を持つのとか、古代の海半端ないっす!!怪物大戦争です。離れたところか、録画で見たいです!!!https://chirakattahondana.com/海洋生命%ef%bc%95億年史%e3%80%80サメ帝国の逆襲/2018/10/26
ホークス
49
2018年刊。古生代から現代まで、海の食物連鎖に君臨した生物を新しい知見から解説。ミーハー的に楽しい。アノマロカリスやカニの柄付きの複眼は機能的と知った。柄の角度を変えると広角視(防御用)も正面立体視(捕食用)もできる。本書のスターは海洋進出した3大爬虫類(魚竜、首長竜、モササウルス類)とサメ。白亜紀の海ではモササウルスとサメが激しく戦っていた。もう一方のスターは初期クジラ類。「毛の生えたワニ」と呼ばれる者から、モササウルスそっくりの猛者まで。メガロドンの本当の大きさ、シャチの祖先はまだ謎らしい。2023/01/01
サアベドラ
26
表紙だけ見るとサメの本かと思うかもしれないが、実際は生命誕生から現在までの海の生物史を超特急でたどる本。2018年刊。それぞれの時代の「覇者」(生態系の頂点に立つ捕食者)に焦点を当て、その交代劇をたどることで海洋生物史を展望するという構成になっている。そのため、でっかいハサミとか長いアゴとか巨体とか、凶々しい生物のオンパレード。「最強=カッコいい!」という少年心をくすぐる楽しい本だけれど、そのせいで各時代の全体像が見えにくくなっているのが少々不満。とりあえず、バシロサウルスを見に科博へ行ってきます。2018/09/14
春風
22
生物の進化史といえば、ふつうカンブリア紀→オルドビス紀→シルル紀→デボン紀と至ったところで、舞台は海から陸上へと移る。では、デボン紀以降の海中の進化史とはどのようなものであったか、というのが本著。海の覇者は、アノマロカリス・頭足類・ウミサソリ等の無脊椎動物から、海棲爬虫類モササウルス、そして、軟骨魚類である新生板鰓類へと移行する。この新生板鰓類こそがサメである。サメ登場後の各地質年代のサメを紹介しつつ、美麗なCGイラストとともに、マニアックでユニークな海棲古生物が時系列ごとに紹介される。2020/03/18
zoe
22
ややキャッチィーと思われるタイトル。サブタイトルの方がやや正確な気がする。海洋生物の歴史は、化石以前と化石以後で研究の裏付け度合いが著しく乖離がある。殻や骨が残っても、それ以外は残りにくい。生活痕もまた同じ。地球生命の歴史として種の大絶滅が数度あり、それを耐え抜いた生物の生き残りのうち、プレデターとして食物連鎖の上位にいるのが、ホホジロザメとシャチ。いずれも進化を正確にはたどれない。徹底的に分解すれば、ただの元素の集まりだってことが分かるだけですが、組み立てることが出来た進化って本当に不思議です。2018/12/09