文春新書<br> 邪馬台国は「朱の王国」だった

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文春新書
邪馬台国は「朱の王国」だった

  • 著者名:蒲池明弘【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 文藝春秋(2018/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166611775

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内容説明

古代日本は朱の輸出で繁栄した「朱の王国」だった。
「朱」という視点で日本の神話と古代史を読みなおすと、目からウロコが!
長年、続く邪馬台国論争に一石を投じる画期的な論考の誕生。

日の丸、神社の鳥居や社殿、漆器、朱肉……と日本には朱色があふれており、この国のシンボルカラーといってもいいだろう。
朱の成分は火山地帯で産出される硫化水銀。火山国の日本では赤みをおびた石や砂として全国のいたるところで採掘できた。
朱は顔料・塗料として、防腐剤・防虫剤として、さらには不老不死をねがう薬品に欠かせない水銀の原料として、大変な価値をもっており、古代日本の重要な輸出品だった。

朱の産地が集積しているのは九州・奈良・伊勢。
そして神話、古代史には、これらの地が、いくどとなく登場する。

・なぜ神武天皇は九州南部から近畿(奈良)へ向かったのか。
・なぜ世界的にも巨大な墳墓(古墳)が奈良周辺で多く造られたのか。
・邪馬台国の候補地は、なぜ奈良と九州が有力なのか。
・なぜ八幡宮の総本社は大分県宇佐市にあるのか。
・なぜ伊勢に国家的な神社が鎮座しているのか。
・なぜ奈良・東大寺の「お水取り」は火祭りなのか。

こうした疑問も「朱」を補助線にすると、定説とは異なる解が浮かび上がる。
半世紀もの間、埋もれていた仮説を手がかりに、日本の古代を探る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

56
最近私の中でブームの「邪馬台国」。邪馬台国に特化せず古代史において「辰砂(朱)」の重要性は大きいと認めるが、この本はその辰砂を主軸に描く邪馬台国物語に興味を覚え、かつ私の場合「そこを主軸とするとこのような仮説が生まれるのか」とその著者の見解を本当に楽しく面白く読んだ。この本でいえば視点の置き方で未だかつて謎の「邪馬台国の場所」について、本当にその場所(地域)の幅が広まるし著者の意見に納得しながら読んだ。2019/03/08

kk

19
図書館本。古代の王権所在地の変遷や国力の蓄積などについて、朱(辰砂。硫化水銀)の採掘・精製・流通といった視点で捉え直そうという試み。同じ視点から、宇佐八幡宮や伊勢神宮の所在地の必然性、東大寺お水取りの意味合い、継体朝/息長氏の性格などについても考察。先行研究を要領良く整理しつつ、著者ご自身の綿密な取材と発想をほど良く加味。読者に親切な、丁寧で分かりやすい文章。断定を排した、謙虚な語り口もナイス。惜しむらくは「トンデモ本上等」宣言のような、このタイトル。中身はわりと堅気な本なんですけどね。2023/04/13

fseigojp

16
水銀が古代の日本の有力輸出品だったとは知らんかった2020/02/28

はるわか

14
朱(辰砂、硫化水銀)の採掘と輸出で繁栄した火山列島・古代日本。奈良(1500万年前の超巨大噴火)と九州の二大産地。丹生氏、九州・伊都国から紀伊伊都郡へ。各地の丹生神社。神武天皇の統制伝説ルートと重なる金山・朱産地(日向、宇佐、呼野、甲山、和気、紀伊、大和、伊勢)。朱にまつわる地名:丹生、水分、血原。巨大古墳の財政的裏付けに。古墳時代は奈良・桜井時代。秩父と朱の鉱床。朱い皇族・息長氏。十一面観音と朱産地。朱の鉱脈・中央構造線上に位置する伊勢神宮。丹後王国。女神の系譜。2019/06/04

hiyu

9
硫化水銀でもある朱をテーマに挙げて、邪馬台国論を展開している。こういう視点もあるのかと納得しながら読めた。ただ、邪馬台国がどこにあるか明確に示しているわけではない。2019/08/27

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