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内容説明
古代日本は朱の輸出で繁栄した「朱の王国」だった。
「朱」という視点で日本の神話と古代史を読みなおすと、目からウロコが!
長年、続く邪馬台国論争に一石を投じる画期的な論考の誕生。
日の丸、神社の鳥居や社殿、漆器、朱肉……と日本には朱色があふれており、この国のシンボルカラーといってもいいだろう。
朱の成分は火山地帯で産出される硫化水銀。火山国の日本では赤みをおびた石や砂として全国のいたるところで採掘できた。
朱は顔料・塗料として、防腐剤・防虫剤として、さらには不老不死をねがう薬品に欠かせない水銀の原料として、大変な価値をもっており、古代日本の重要な輸出品だった。
朱の産地が集積しているのは九州・奈良・伊勢。
そして神話、古代史には、これらの地が、いくどとなく登場する。
・なぜ神武天皇は九州南部から近畿(奈良)へ向かったのか。
・なぜ世界的にも巨大な墳墓(古墳)が奈良周辺で多く造られたのか。
・邪馬台国の候補地は、なぜ奈良と九州が有力なのか。
・なぜ八幡宮の総本社は大分県宇佐市にあるのか。
・なぜ伊勢に国家的な神社が鎮座しているのか。
・なぜ奈良・東大寺の「お水取り」は火祭りなのか。
こうした疑問も「朱」を補助線にすると、定説とは異なる解が浮かび上がる。
半世紀もの間、埋もれていた仮説を手がかりに、日本の古代を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kk
20
図書館本。古代の王権所在地の変遷や国力の蓄積などについて、朱(辰砂。硫化水銀)の採掘・精製・流通といった視点で捉え直そうという試み。同じ視点から、宇佐八幡宮や伊勢神宮の所在地の必然性、東大寺お水取りの意味合い、継体朝/息長氏の性格などについても考察。先行研究を要領良く整理しつつ、著者ご自身の綿密な取材と発想をほど良く加味。読者に親切な、丁寧で分かりやすい文章。断定を排した、謙虚な語り口もナイス。惜しむらくは「トンデモ本上等」宣言のような、このタイトル。中身はわりと堅気な本なんですけどね。2023/04/13
fseigojp
16
水銀が古代の日本の有力輸出品だったとは知らんかった2020/02/28
hiyu
9
硫化水銀でもある朱をテーマに挙げて、邪馬台国論を展開している。こういう視点もあるのかと納得しながら読めた。ただ、邪馬台国がどこにあるか明確に示しているわけではない。2019/08/27
はちめ
6
前作の古事記と火山の関係に関する著作と同様、邪馬台国と朱の関係を徹底的に集めて列挙している。学術的な手法ではないが、このくらい状況証拠が集まればそこになんらかの真実があると考えるのは自然なことだと思う。ただ著者が邪馬台国の場所について明確に自説を述べている訳ではない。推測的に言えば、邪馬台国は北部九州のどこかで朱の集積地若しくは産地である地域で発生発展し、その後更に優れた朱の生産地である大和地方に移ったというのが著者の解釈だろう。前作同様大変面白い1冊であるのは間違いない。☆☆☆☆2018/08/18
しんさん
5
朱色=硫化水銀の鉱脈と技術こそ邪馬台国の富と権力の源だったのでは、という仮説。朱の歴史は九州→奈良→伊勢。土蜘蛛は各地の鉱山関係者。古墳時代は朱の算出のピークアウトと傭兵ビジネス終焉(半島の安定)とともに終了(という説)2023/11/16
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