内容説明
■電子版は掲載写真をカラー化!
考古学のその先へ――縄文人の思考に迫る面白さ。学校では教えてくれない縄文文化の魅力、縄文人のすごさ。日本人の精神性のルーツがここにあります!
・なぜ富士山を神々しく思い、太陽に手を合わせるのか
・世界で一番古い土器は縄文土器、器の存在も超えた
・俳句は、縄文の自然との共感共鳴を伝えている
・フグを食べ、ウニはおいしい旬に食べていた
・縄文人は「数」を認識していた ほか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kentaro
43
日本語は興味深い特徴を持っている中で注目すべきものが、オノマトペ。擬音語・擬声語・擬態語のこと。じいっと見つめると、川が「さらさら」流れる。風が「そよそよ」吹く。これらはみんな擬音語。擬声語というのは「ツクツクホウシ」(ツクツクボウシ)とか、鳥や昆虫の声と、人の言葉を重ねて表現しているもの。擬態語というのは「じいっと」見るとか、そういうものだ。世界中には5,000の言語があるというが、オノマトペは日本語以外にははったつしたものはないという。縄文時代から自然と強制し、自然の声を言葉にしたものだからだ。2021/04/17
tamami
42
以前に読んで、書棚に並べてあったのを再読。その成果は予想以上のものがあった。いわゆる四大文明の地では、農耕と共に始まった定住生活が、日本では土器の製作開始と時期を同じくし、その後の文化の継続に大きな意味があったこと。縄文土器は、その他のモニュメントと同様、縄文人の世界観を表しているということ。最近何かと話題になっている土偶について、その正体は人間の女性像ではなく、ナニモノカの実体化、縄文人が表現したかった精霊の姿ではないかと記されている。また、縄文人が話していたであろう縄文大和言葉は、文化として現代にも→2021/09/30
roatsu
25
縄文時代へ思いを馳せることは、その一万年の時の流れの中で培われ、今に受け継がれてきた日本人を日本人たらしめる魂の源流を見出す心の旅だと思う。昨今のブームも起こるべくして起こったという感じ。熱い思いとユーモアに満ちた文章を読む楽しさと共に縄文時代という自然との共生が成った世界的にも稀有な時代とそれを成した我が先祖達への正確な理解と洞察へと導いてくれる価値ある一冊。2018/08/15
コーデ21
21
前々から疑問に感じていた実用性皆無の派手な突起や文様のついた縄文土器。「あれは飾りではない、物語を表現している」との小林氏の説には目からウロコでした。地球規模のドン詰まり感がひしひしと感じられる昨今の世界情勢の中<1万年以上にわたり自然と共存共生した縄文時代は日本文化の原点><自然すべてを大切にする気持ち、物より心を重視する気持ち>など日本人のDNAに染み込んでいる自然との共生に立ち帰る時なのでは?の思いが募る一冊でした。ただ小林氏の個人的な思い込みを強く感じる部分が多々見受けられたのは残念😅2022/10/22
uni
4
はるか遠く昔の縄文時代の生活、思想が、身近に感じられた。 土偶が女性を模したものでなく、また火焔式土器の意味するものも、新たな発見であった。 ストーンサークルが太陽の位置を計算し作られていたなど、この時代の見方が変わる本であった。2018/08/01